ブランディング戦略におけるパッケージデザインとは? パッケージデザイン総合解説

飲食業界のリブランディング事例

飲食業界のリブランディング事例

飲食業界は非常に競争が激しい点が特徴のひとつであるため、この業界で生き残るには他のお店にはない独自の魅力をアピールすることが重要なポイントとなってきます。このように競合との差別化によって客足が伸び悩んでいるという問題への解決につなげられるでしょう。さらに、リブランディングによって既存のお客さまに対してより満足感を与える、そして新規のお客さまを獲得してファン化させ、売上の向上を狙うこともできます。

また、リブランディングを行う目的のひとつとして、ブランドイメージを向上させてネガティブなイメージを払拭するといったものもあります。例えば、長く運営しているブランドであるために消費者に飽きられてしまっている場合や、良いものを安く提供しているにもかかわらず「安かろう悪かろう」というイメージがついてしまっている場合など、リブランディングを通じてポジティブなイメージを強化してネガティブなイメージを払拭することにより、お客さまの関心を惹きつけられるようになるでしょう。

このように、リブランディングを行う理由は企業や店舗によりそれぞれです。そこでこちらの記事では、飲食業界においてリブランディングに取り組んだ事例についてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

リブランディング事例 ブルドックソース

ブルドッグソース株式会社HPキャプチャ
画像引用元:ブルドッグソース株式会社公式HP(https://www.bulldog.co.jp)

ソースといえば「ブルドックソース」を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、ブルドックソース株式会社では採用活動を行う中でブルドックソースを知らない学生に出会い、「若い世代にはそれほど認知度が高くないのでは」と考えたことからリブランディングに取り組んでいます。

このリブランディングでは、まずはオフィシャルサイトの全面リニューアルからスタート。このリニューアル作業は1年以上の時間をかけて行われています。サイトのリニューアルにあたっては入念な取材が行われており、取締役や地方の工場の現場責任者などに話を聞くことによってブランドが持つ魅力探しが行われました。

ブルドッグソース株式会社画像 引用元:ブルドッグソース株式会社公式HP
(https://www.bulldog.co.jp/products/)

ブルドッグソースの持つ独自性は、「自社商品へのこだわり」。このソースは野菜・スパイス・酢のみで作られており、余計な添加物は使わないというこだわりがあります。しかも「時代も味覚の嗜好性も少しずつ変わっていくもの」との考えから毎年この会社ではソースの味を毎年変えていることも取材を通して判明しました。

実際のサイトのリニューアルにおいて意識されたのが、「今の時代のユーザー」。デザインの世界観を特に大切にし、若い主婦やOLの方に「も、自分のそばにいるブランド」と感じてもらえるように制作が行われています。さらに、オフィシャルサイトのリニューアルが行われた後には新しい世代に向けた新ブランドも発表されており、ブランドコンセプト作りやイメージ動画の作成なども行われました。さらに、ブルドックソース株式会社の社内では、若い社員向けのブランディングセミナーも実施されています。

リブランディング事例 チョコバッキー

株式会社シャトレーゼHPキャプチャ
画像引用元:株式会社シャトレーゼ公式HP(https://www.chateraise.co.jp/)

シャトレーゼの大人気アイス「チョコバッキー」。こちらの商品は元々「パリッと巻きチョコバー」の名前で販売されていたものですが、「より親しみやすく、商品の特徴をわかりやすく伝えたい」といった想いからリブランディングが行われています。

通常、商品のリブランディングを行う際には商品の中身も見直すケースが多く見られます。しかし、こちらの商品の場合は販売当初からほとんど見直してこなかったものの、安定した支持が得られていたという理由から、あえて中身は見直さずに商品名やパッケージなどを見直すことにしました。

チョコバッキーバニラ画像 引用元:株式会社シャトレーゼ公式HP
(https://www.chateraise.co.jp/ec/g/g1002216/)

新たな商品名は、食べたときに「バキッ」とした食感が伝わってくることから「チョコバッキー」に決まり、さらにパッケージデザインも一新しています。商品名とパッケージデザインを変更した際、同社の白州工場を訪れた見学者(※2024年8月現在工場見学は行っていません)に評価してもらったところ、好意的な評価が多かったとのことです。

さらに、チョコバッキーとしてリブランディングを行ってからは袋売りに加えて1本売りも実施したこと、イトーヨーカドーやセブンイレブンでも販売されたことなどから、より知名度を上げています。また、「実は工場で偶然生まれた商品である」といった開発エピソードも商品の知名度を上げるきっかけに。数年で3億本をこす大ヒット商品となっています。

リブランディング事例 Starbucks

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社HPキャプチャ
画像引用元:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社公式HP(https://www.starbucks.co.jp)

飲食業界のリブランディング事例として、スターバックスの事例をご紹介します。

2008年、業績の低迷に直面していたスターバックスは、創業者であるハワード・シュルツがCEOに再度就任し、リブランディングに取り組んでいます。この取り組みでは、スターバックスの店舗を「サードプレイス」として再定義するもの。家庭(ファーストプレイス)、職場(セカンドプレイス)に続き、顧客に第三の居場所として店舗を提供することを目的としたものです。

単にコーヒーなどの飲み物を購入する場所としてだけではなく、店舗を訪れた顧客がリラックスできるコミュニティスペースとして機能することを目指しています。さらに、コーヒーの品質を再度評価してバリスタのトレーニングを強化。さらに、地元のイベントなどのサポートによって地域社会とのつながりを強めました。

このようなリブランディングに取り組んだ結果、快適な店舗の環境と高い品質のコーヒーによって、顧客のロイヤリティが高められています。そして、一貫して「サードプレイス」というコンセプトを推進することによってブランド価値の強化を行っています。

リブランディング事例 かっぱ寿司

かっぱ寿司HPキャプチャ
画像引用元:かっぱ寿司公式HP(https://www.kappasushi.jp/)

回転寿司チェーンとして知られる「かっぱ寿司」も、リブランディングを行った事例として知られています。今や全国に店舗を展開するかっぱ寿司は、1979年8月に1号店を長野市に出店して以来、チェーン展開を開始しています。

その後、他社との競争が激しくなり、その中で「平日90円」のように低価格を訴求していくうちに、消費者の間で「安っぽい」というイメージがついてしまいました。客足が落ちてしまうと当然店内の活気も薄れてしまい、さらに客足が遠のいてしまう…といった悪循環に陥ってしまいます。

そのため、同社では2016年10月からリブランディングを実施し、ロゴに加えて店舗デザインの見直しを行いました。これまで使用してきた河童のキャラクターのロゴから積み重なったお皿のグラフィックに変更し、店舗もおしゃれで清潔感のあるイメージにリニューアルしています。この新しいブランドロゴには、「安心してたくさんお寿司を楽しんでいただきたい」との思いが表現されています。

さらに、商品カテゴリーの見直しも行っており、たとえば遊び心がある創作寿司の「特ネタ」と、旬の美味しさを楽しめる「旬ネタ」を月替わりの目玉として提供するなどさまざまな工夫を取り入れています。

まとめ

こちらの記事では、飲食業界におけるリブランディングの事例についてご紹介してきました。最初にご紹介してきたとおり、飲食業界は非常に競争が激しい点が特徴として挙げられます。その中で、自社の魅力を消費者に伝えることは非常に重要なポイントであるといえるでしょう。たとえば、ブランドロゴの変更や店舗リニューアルを行う、商品名や商品パッケージの刷新、新たなサービスの提供によるファンの獲得など、リブランディングを行う際にはさまざまな方法が考えられます。

このように、時代や消費者のニーズに合った戦略を展開することによって、新しい顧客やリピート顧客を獲得しつつ、他のお店との差別化も可能となります。ぜひ効果的なリブランディングを実施していきましょう。

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[特集]老舗企業を輝かせるリブランディング