お茶のパッケージデザイン会社探しをする前に、デザインが及ぼす影響やパッケージデザインの事例や会社をピックアップして取り上げたいと思います。
1980年代以前、お茶というものは、茶葉を購入してきて、自宅や職場の給湯室などで、急須を使って淹れるというものでした。そもそも、そのまますぐ飲める状態で買えるお茶というもの自体が、存在していなかったのです。
それが劇的に変化したのが1980年代後半に一般化し、普及したペットボトルです。それに先立って、サントリーや伊藤園が烏龍茶を缶入りで発売していましたが、ペットボトルという容器の出現で、お茶の販売競争は加速。現代においては、他社との差別化を、どう図るかというのが重要事項になっています。
そんな事例のひとつとして、ひとつ興味深い調査結果があります。それまでの緑茶飲料と比べ、より「濃い味」のお茶市場において、王者・伊藤園の「お~いお茶濃い味」を、サントリーの「伊右衛門Green ESPRESSO」がイメージ調査で上回ったというもの。前者はラベル全体が濃緑色の地に白抜き文字の商品名なのに対し、後者は黒と濃い灰色の縦ストライプ地に、茶葉の緑の横ライン、さらにその一部がしぶきのようになっていて、茶葉のイラストも添えられているというもの。高級感をより感じさせるとして、伊藤園を上回ったのだとか。
このように、お茶というある種狭いストライクゾーンの中で、どう知恵を絞るかというのは、各社とも苦心しているもの。デザイン会社選びの際は、実績はもちろんのこと、戦略性や企画力といったところも重視したいとことです。
お茶に関するパッケージデザインをたくさん紹介していますので、イメージと近しいパッケージやアイディアはぜひ参考にしてください。

【デザイン会社:サントリーコミュニケーションズ】
ペットボトル飲料におけるパッケージデザインの常識を覆したと言われている、ラベルのないボトルです。中身を隠すラベルをなくしボトル自体にデザインを施すことにより、伊右衛門の魅力のひとつである美しい緑の色を余すことなくアピール。「珍しい」「ボトルが可愛い」「お茶の色合いがきれい」と、消費者の心を強く掴みました。
また他のペットボトル入り飲料との明確な差別化により、消費者に大きなインパクトを与えることにも成功。これまで緑茶飲料を飲む習慣がなかった層の興味も惹くことでシェアを大きく伸ばすとともに、緑茶飲料全体の活性化にも一役買っています。
さらにラベルのないボトルはプラスチックゴミの削減やゴミ分別にかかる手間の削減にも貢献しました。SDGsの流れを汲み、消費者の生活をもサポートする「伊右衛門 ラベルレス」は、2021年度の日本パッケージデザイン大賞を受賞(※)するという輝かしい功績を残しています。
※参照元:日本パッケージデザイン協会(https://www.jpda.or.jp/award/2661.html)

【デザイン会社:アイディーエイ】
伊藤園の代表的な商品のひとつ「お~いお茶 絶品ほうじ茶」。香ばしい甘さとさっぱりとした後味で、オールシーズン楽しめる優しい味わいのお茶です。
ラベルを眺めた消費者の目を惹きつけるのは、氷の入ったグラスに満たされた涼やかなほうじ茶の写真。さっぱりとした清涼感やゴクゴク飲める美味しさをアピールすることで、「飲みたい」と思わせる魅力的なデザインに仕上げています。
商品名の背景にあしらわれたランダムなドット柄は、すっきりとした軽い飲み口や、心地よい香りが広がるさまを連想させます。従来、どちらかといえば「秋冬向け」のイメージがあったほうじ茶を暑いシーズンにも手に取ってもらえるようにと、随所に工夫が凝らされたパッケージです。

【デザイン会社:アイディーエイ】
除草剤や殺虫剤、化学肥料を用いないお茶づくりに取り組んでいる「おりた園」。なかでも「極み」は、おりた園のお茶の中でも価格帯の高いシリーズです。
これまでは、商品ごとに都度カタログから既存のデザインを選ぶ形でパッケージを決めていたため、一つひとつ見た目がバラバラだったというおりた園の商品。リブランディングにあたっては、「統一感を出すこと」や「ひと目でおりた園の商品だと分かること」、「商品のランクに応じたビジュアルを設定すること」が求められました。
まずすべての製品におりた園のブランドロゴを分かりやすく配置。「有機緑茶」シリーズはブラウンとオレンジ、「深蒸し茶」シリーズは白と緑にパッケージの色調を統一することで、おりた園の製品であることがすぐに分かるとともに、商品の特徴も簡単に視認できるよう工夫がなされています。
「極み」シリーズには熨斗や水引を思わせるデザインを盛り込み、贈答品としても選びたくなる高級感を演出。ラベル中央の昇る朝日のような円形のモチーフは「おりた園」ロゴマークのシルエットとも共通しており、ブランドイメージのさりげない訴求に寄与しています。

【デザイン会社:プロモーションズライト】
ほっと和む緑茶の味わいと、気分をリフレッシュさせてくれるフレーバーの両方を楽しめる「香りの緑茶」。マイボトルを愛用する女性をメインターゲットに開発された商品です。
パッケージには、果実のイラストをちりばめるとともに「香り」の文字へ色を乗せ、さわやかな香りが立ち上るさまをイメージ。上部に水筒のイラストと「マイボトルにぴったり!」のコメントを入れることで、ターゲット層に商品の用途を分かりやすく訴求しています。
緑色ばかりの緑茶売場においてパッと目を引くカラフルさと、安心感を誘う「緑茶らしさ」の絶妙なデザインバランスもポイント。日々のちょっとした楽しみとして、手を伸ばしたくなる求心力のあるパッケージに仕上がっています。

【デザイン会社:セメントプロデュースデザイン】
「日ノ茜」は鹿児島県徳之島産の茶葉「サンルージュ」を使用した緑茶です。サンルージュは2011年に品種登録された新しい種類の茶葉で、アントシアニンを含むことから、レモン果汁などの酸を加えると水色が緑から赤へと変化する珍しい特性を持っています。
ブランドロゴでは、「日ノ茜」の「ノ」の部分を生産地である徳之島の形で表現。印象的な雫型のマークは、お茶の雫と日の丸の双方を想起させます。洗練されたおしゃれなパッケージは、普段緑茶を飲む習慣がない層や、トレンドに敏感な若い世代の興味を惹きつけるほか、贈り物用としての商品の需要も高めてくれるでしょう。
内側の箱はグラデーションになっているため、上蓋を引き上げることで窓からのぞく色が赤から緑へと移り変わる仕掛けが楽しめます。このようにさまざまな趣向が凝らされたパッケージにより、日ノ茜は2021年のアジアの招待制デザイン賞「TOPAWARDS ASIA」を受賞(※)しました。
参照元:CEMENT PRODUCE DESIGN(https://www.cementdesign.com/?portfolio=日本茶-日ノ茜-ブランディング)

【デザイン会社:株式会社グロウアップ】
若い世代ではお茶を淹れて飲むという習慣が薄れており、ペットボトル飲料が主流になっている現状があります。そこでお茶本来の美味しさを実感してほしいという願いを込められて作られたのがお茶の少量パッケージの製品です。そんな製品のパッケージをデザインした事例で、移動カフェである「TABATAEN CAFE」でメインに販売されているため、ワーゲンバスをモチーフにデザインされています。8814は「葉っぱいいよ」を意味し、Tは「tea」の頭文字です。
煎茶は黄緑、紅茶は紫、ほうじ茶は茶色など、お茶に合わせてカラーを変えており、好きな味のお茶を選びやすくなっています。またデザインを統一させることで同じシリーズと一瞬で判断できるため、風味などが気に入ったリピーターは違う味のお茶も購入しやすくなるでしょう。あえてお茶のイメージを払拭し、オシャレさ満載のデザインになっているのも特徴的。

【デザイン会社:株式会社桶屋】
大和茶カフェ茶楽茶 SARASAより販売されている「ほうじ茶」のデザイン事例です。お茶の香りだけでなく、色や器、インテリアなど五感で楽しめるようにデザインが考えられています。ハーブと日本茶をブレンドすることで、これまでに味わったことにない「ほうじ茶」の魅力を感じられ、SARASA独自の世界観に出会えるはずです。そんな世界観をイメージし、パッケージデザインとしてアウトプットしています。
ほうじ茶には「紅」「陸」の2種類がありますが、基本的なデザインは同じです。白のお茶筒に深い緑のパッケージを添えたシンプルなデザイン。カラーリングも色合いを抑えることによって、上質な印象を与えてくれるでしょう。パッケージには商品名だけでなく、どのようなハーブとブレンドしているのかも表記し、消費者に分かりやすく内容を知らせています。そのため好きなハーブがブレンドされているかどうかも分かりやすいでしょう。

【デザイン会社:マイパケ】
もち米の生産量の多さで知られている名寄市は、赤福などの商品にも活用されています。そのもち米をメインにした商品を作り、地域の活性化を促進したいと考えて作られた商品です。
もち米の稲をイメージしたデザインを採用し、さらに急須とモチを上手く組み合わせたデザインのロゴを取り入れています。どこか可愛らしさもあるモチーフになっているので、お茶に興味のない方にも訴求できるでしょう。また名寄市はもち米だけでなく、天文台も有名です。そのため上手く星も組み合わせた背景になっているのも特徴的。名寄市をトコトンアピールしたデザインになっているでしょう。
優しく淡い色合いなので、そこまで派手さがないのも魅力のひとつ。お茶の魅力が伝わってくるデザインなので観光客だけでなく、地元の方もお土産として購入しやすいパッケージです。

【デザイン会社:マイパケ】
わくわく園が手掛けている一煎茶のパッケージデザイン事例です。地域のPRなども行えるようにキャラクターの載ったパッケージを採用。西郷隆盛氏や西郷隆盛氏にゆかりのある人や犬をかわいいキャラクターで表現しています。決して憎めない愛くるしいキャラクターが中央に配置されているため、つい目が行きやすいはず。一瞬お茶とは分からないデザインなので、幅広い年齢層の方々が手に取りたくなるでしょう。6つがそれぞれ違ったキャラクターになっているので、ひとつだけでなく全ての絵柄を購入したくなるのも嬉しいところ。セットとしての購買意識を高めることで、売り上げにもつながるでしょう。
鹿児島を訪れた観光客の手土産などでも人気が高く、老舗のホテルなどでも取り扱われているようです。

【デザイン会社:マイパケ】
オリーブと言えば小豆島というイメージがあるため、八女で行われているオリーブ栽培をアピールするべく販売されている商品のパッケージ事例です。オリーブの葉に含まれている健康に良いとされている成分と八女の製茶技術を融合させ、八女商工会議所より販売されている健康茶。
あえてオリーブのデザインを大きく描き、細かなタッチまで感じられるようなリアルさも追及したデザインになっています。思わず手に取りたくなるような品の良さも感じられるでしょう。中央には「Olive Leaf TEA」とオシャレに表記。小さく商品のアピールポイントを載せることで、美意識高めの方々の購買意欲を高めることができるでしょう。また部屋に置いていても、決しておかしくないスタイリッシュなデザイン性が魅力的です。そのため、ついパケ買いしたくなるデザインと言えます。

【デザイン会社:デザインラボ】
「ローソンストア100」にて販売されている、ローソンのPB(プライベートブランド)商品です。お茶の産地として知られる、静岡県両河内産の茶葉を使用しています。
天空ノ茶という商品名は、標高の高い場所で生産された爽やかな風味の茶葉を使用している点に由来しています。そこで雲海を望む茶畑の写真をメインに据えることにより、他の商品とは違う「天空ノ茶」ならではの魅力をアピール。また商品名には毛筆で書いたような字体を用いることで、上品かつ良質な印象を与えています。
生産者の顔写真を添えることで商品のルーツを分かりやすくし、「安心・安全」なイメージを強調。安くても質の良い飲料を探している消費者の気持ちをしっかりと掴んでいます。
なぜ「いい商品」ほど、選ばれなくなるのか?
原材料にも製法にも妥協はない。作り手の思いも、品質への自信もある。それでも市場の反応が伸び悩む商品は少なくありません。問題は本当に、「商品力」なのでしょうか。
原因は「商品力」ではなく、「文脈」にある
多くの場合、選ばれない理由は商品の良し悪しではなく、消費者との間にある「文脈(ストーリー)」のズレにあります。作り手が語りたい価値と、買い手が求めている理由。この前提が噛み合わなければ、商品は選ばれにくくなります。
視点を変えると、商品の意味は変わる
ここからは、「商品を変えずに、意味を変えた」事例です。
「贈答品」から「晩酌の相棒」へ
高級ギフトとして展開されていた缶詰は、品質とは裏腹に伸び悩んでいました。見直したのは味や価格ではなく、「食べられるシーン」。晩酌の相棒として再定義したことで、購買理由が明確になりました。
「製造のバラつき」を「独自の価値」へ
均一でない食感は、これまで課題とされてきました。しかし視点を変えれば、それは毎回違う楽しさでもあります。不均一さを個性として表現したことで、商品は支持を集めました。
「いい商品」を「選ばれる商品」に変えるために必要なこと
事例に共通するのは、商品を変えたのではなく、「誰に、どんな理由で選ばれるか」を再定義した点です。価値はすでに商品にある。それをどこに、どう置くか。そこが分かれ道になります。
【PR】この「再定義」を、戦略として扱ってきたチームがある
こうした「意味の再定義」を、感覚ではなく戦略として行ってきたのが株式会社ミニラクリエイティブです。メーカーのこだわりを、消費者の「買いたい理由」へと翻訳する。その戦略的なアプローチによって、 前年比400%を超える売上増を記録するなど、具体的な成果を生み出してきました。この積み重ねを、29年以上続けています。「商品はいいはずなのに、選ばれない」そう感じているなら、まだ語られていないストーリーがあるのかもしれません。

県外への販路開拓を目的として、鹿児島県が主催した「商品ブラッシュアップ・プログラム」にて採用されたパッケージデザインです。上品でなめらかな手触りの木箱をはじめ、奉書紙や帯などの質感にもとことんこだわるなど、開封するプロセスを楽しめるよう工夫を凝らしています。
パッケージの中央には、松寿園の松をモチーフとして採用。品と落ち着きを併せ持つ淡いゴールドカラーを重ね合わせることで、重厚感と高級感をもたらしているでしょう。

もっと若い方々にもお茶を楽しんでもらいたいとして考えられたパッケージデザインです。
パッと目を惹くデザインになっており、一瞬お茶と分からないパッケージになっています。純粋に「カワイイ」という興味を抱かせることで、お茶に興味を抱いていない方でも手に取ってもらいやすいでしょう。犬や猫がカフェを楽しむかのようなアニマル柄を面白くデザインしています。またピクトグラムを配置することでシンプルながら、オシャレな印象に。自分用だけでなく、プチギフトとしても販売しやすいパッケージデザインになっており、どの年代のギフトとしても喜ばれるでしょう。またギフト用のボックスタイプや袋タイプなどいろいろなシリーズがあり、どのシリーズもピクトグラムがデザインされており統一感があるため、一瞬で同じブランドだと分かるのも魅力的です。

伊藤園から販売されている「お~いお茶」の2021年秋限定のパッケージデザインの事例です。
お~いお茶を愛飲している方だけでなく、新たなファンも獲得することを目指しており、秋ならではの深みや渋みなどを楽しめることが伝わるパッケージになっています。日本の秋といえば、紅葉や銀杏、コスモスが代表的な草花なので、それらを大胆に配置したデザイン。店頭で目立つようなデザインになっており、さらに一目で秋仕様ということが伝わるでしょう。
また、お~いお茶シリーズということもしっかりと伝わるように、基本のデザインはそのまま残しています。そのため、お~いお茶ファンの購買意欲も高めることに成功しており、より多くの方々が購入したくなるデザインに仕上がっているでしょう。秋ならではのデザインに季節限定感もあり、つい魅了されてしまいます。

【デザイン会社:有限会社田中紙工印刷】
新茶と言えば、どうしても緑一色などシンプルなパッケージデザインが多い印象があります。シンプルだからこその魅力もありますが、他社との差別化が難しいケースも。そこで暖色をメインにした温かみのある色合いのパッケージをデザインした事例です。パッと見ただけではお茶のパッケージとは思えない明るい配色になっており、つい目に留まりやすくなるでしょう。中央部には「新茶」や湯呑に入ったお茶がデザインされているため、すぐにお茶の商品だと判断できます。
またアニメをイメージしたパッケージもデザインしており、どちらも個性的なデザインに仕上がっているでしょう。たとえば自分用だけでなく、贈り物としても目立つ商品パッケージになっているので大切な方へのギフトにもオススメです。

【デザイン会社:デザイン想】
株式会社JTBパブリッシングより富士市の新ブランドである「凛茶」のパッケージデザインの事例です。富士山をイメージした三角形のパッケージが印象的で、茶葉の模様がグラデーションで描かれています。凛茶は渋みも少なくスッキリとした飲み心地が特徴のため、パッケージも爽やかな印象のあるブルーや白をメインカラーとして採用。アクセントにほうじ茶のカラーであるブラウンをプラスすることで、上品な印象も与えてくれるでしょう。
側面には凛茶の美味しい入れ方も丁寧に記載されてあり、購入者の目線に立ったデザインも魅力的です。こういった商品を購入したことがない方でも淹れ方が書いてあれば、試してみようと思いやすくなり、購入者の幅を広げることにつながります。より多くの方にアピールすることで、ブランドの知名度も上がりやすくなるでしょう。

【デザイン会社:マルチノーサ】
KOBE TASTING BOXは7種類の紅茶を詰め合わせた商品です。それぞれのお茶は、日本にもそう多くはいない「紅茶鑑定士」によって日本の水質を考慮しつつブレンドされており、本格的な味わいを手軽なティーバッグで楽しめます。
クライアントである神戸紅茶株式会社の意向は「個包装のデザインがよく見えるよう、窓を大きく開けてほしい」というものでした。しかしデザインを請け負ったマルチノーサは、商品をより強く印象づけるために窓の大きさは抑え、箱のスペースを大きくとることによるブランドイメージ強化を提案。神戸が観光地であることも考慮し、自分用にはもちろん誰かにプレゼントするお土産としても手に取りたくなる洗練されたパッケージに仕上げました。
モノトーンに統一されたデザイン部分は、品の良さを演出するとともに、窓からのぞくカラフルな個包装の印象を引き立たせ、7種の味わいが楽しめると直感的に想像させます。消費者の「手に取ってじっくり見てみたい」という興味を高めてくれるパッケージです。

【デザイン会社:プロモーションズライト】
日東紅茶の「純国産紅茶」は、その名の通り国産の茶葉(べにふうき、やぶきた)を使用した商品です。希望価格はティーバッグ8袋入り500円と手ごろであり、背伸びせずに手に取れるデイリーユースのお茶として高い需要が期待されています。
パッケージデザインにおいても高級感を出しすぎることなくシンプルな印象にまとめることで、お茶の間の一員として違和感なく溶け込む親しみやすさを演出。日常的にそばにおける商品として、気負わず手に取ってもらえるチャーミングなデザインにまとまっています。
また色々な種類のティーバッグを詰め合わせた「バラエティパック」はカラフルに、ひとつのフレーバーのみを詰めたパックは単色でまとめることで、商品棚に並んだ時それぞれの内容物の違いが直感的にイメージできる分かりやすさも備えています。
和風、アジア風な印象をさりげなく与える金文体風のフォントで印字された商品ロゴは、日本産紅茶が持つインバウンド需要を意識しているとも読み取れます。すっきりとしたイメージの中に工夫がたっぷりと詰まった、完成度の高いパッケージデザインだと言えるでしょう。

【デザイン会社:増子デザインスタジオ】
1週間毎日違う味わいのお茶を楽しめるよう、7種類のお茶を詰め合わせた「7 DAYS TEA COLLECTION」。手軽にお気に入りの味を見つけられる、自分へのちょっとしたご褒美になってくれる商品です。
パッケージにはアンティーク調のイラストを配し、洋書を思わせるクラシカル&モダンな雰囲気に。おしゃれなアイテムが並ぶアフタヌーンティーの世界観に馴染むとともに、「なんだろう」と手を伸ばしたくなる訴求力を備えています。
個包装されたティーバックは本に見立てたつづられ方をしており、1ページにひとつのティーバッグが収められたブック型パッケージがおしゃれ。お茶の種類ごとに、おすすめの飲み方や味わいの特徴が分かるミニコラムが掲載されており、その日の気分に適した一杯を選べる作りになっています。
かわいらしさに加えて遊び心ある高級感をたたえたパッケージは、自分用にはもちろん贈り物用にもぴったり。ギフトを探しに訪れる人も多いアフタヌーンティーの顧客ニーズを、しっかりと掴んでいるデザインだと言えます。

7デイズコレクションでは、その日の気分にぴったりな紅茶を楽しめるよう、味わいと香りの異なる7種類の紅茶をセレクト。紅茶のパッケージとしては珍しいブック型を取り入れており、クラシカルながらもモダンな洋書を思わせるデザインが非常にお洒落です。
ページごとに異なる香りと味わいの紅茶がセッティングされ、紅茶の魅力を引き出すミニコラムも掲載されています。ふんわりとしたパステルカラーが可愛らしく、ちょっとしたプレゼントにも喜ばれるでしょう。

自宅で本格的な水出しアイスティーが楽しめるとして人気の高い、夏季限定のアイテム。こちらは2016年に発売されたパッケージデザインとなっており、スタンプで作ったフルーツのイラストが大胆にあしらわれています。これにより、ひと目見ただけでどんな香りと味わいなのかが分かるのがポイントです。
フルーツのイラストの上には、手書きのタイポグラフィをオン。はじけるような果実の香りと、楽しい夏のティータイムを彷彿とさせます。

狭山紅茶は渋みも少なく、非常に飲みやすい味わいが人気の紅茶。契約農家が作っている東京神茶皇園から販売されている狭山紅茶のパッケージデザインの事例です。紅茶を前面にアピールすれば、紅茶愛好家は手に取りやすいですが、これまで紅茶に触れてこなかった方へのアピールは難しいという問題があるでしょう。そこで20代から30代くらいの世代層が手に取りやすいデザイン性のあるパッケージを採用。地元出身のアーティストと一緒にデザインを考え、「和から切り離すこと・お茶の木とおっさん」をテーマにしています。あえて茶袋も横向きにすることで、より新しさを感じられるパッケージになっているでしょう。木がパッケージ全体に配置され、まるで木の中から生えたかのようなティーカップが印象的です。ついSNSにアップしたくなるデザインになっているので、SNSを通じて自然と多くの方に知られる商品に仕上がりました。

水出し用に選び抜かれた高品質な茶葉を使用した商品です。紅茶の旨味を引き出すジャンピングがスムーズにできるよう三角ティーバッグを採用しており、500ml抽出用のためマイボトルを愛用している人も使いやすいでしょう。
パッケージは白い背景にアイテムカラーが映え、色で味や香りが分かるように工夫されています。パッケージ上部でシズル感を演出し、暑い季節に思わず「飲みたい!」と思わせるような表現を取り入れているのが特徴です。

「ローソン夏のハワイアンフェア」にて販売された限定商品で、キャップを開けた瞬間からパイナップルのふんわりとした甘い香りが鼻腔をくすぐります。紅茶の渋みとパイナップルの爽やかさの相性も良く、口いっぱいに華やかな風味が広がるのが評判でした。
コンビニエンスストアにはさまざまなペットボトル飲料が並んでいるため、店頭映えするように発色の良い黄色のパッケージを採用。そこにハワイを思わせるイラストと商品名をプラスしています。

【デザイン会社:株式会社ステイクハウス】
コンビニやスーパーなどのプライベート商品の製造を担っている飲料メーカー「株式会社サーフビバレッジ」から販売されている「かぼ茶」のパッケージデザイン事例です。かぼ茶は商品名の通り、かぼ茶エキスと緑茶をブレンドしたお茶で、ほのかに甘い風味が魅力的なドリンクです。パッケージだけでカボチャをアピールできるよう、カボチャの絵柄を大きく配置し、素材感を十分に感じられるようなデザインになっています。またメインターゲットは20代女性なので、女性が手に取りやすい柔らかさも表現。どこか飾りたくなるような可愛らしさもあり、つい他の人に自慢したくなるような高いデザイン性に仕上がっているでしょう。
女性の中にはカロリーを気にしているケースも多く、かぼちゃというだけでカロリーが高そうなどマイナスのイメージも持ちやすくなります。そのためパッケージに「ノンカロリー」と記載することで、カロリーを気にしがちな女性も選びやすくなるでしょう。

ブルーベリーの香りとこだわりの製法が生み出した爽やかな味わいが特徴のブレンド茶。独特の風味と赤みの強い水色が持ち味のプーアル茶をベースに、後味スッキリな飲み心地に仕上げています。
「女性のワークライフバランスに寄り添う」をコンセプトとしているため、女性から愛されるデザインを意識。ブルーベリーの風味とプーアル茶の爽やかさを淡い水彩イラストで描き出し、初夏にふさわしい涼し気なパッケージにまとめ上げています。

中国茶とおやつのお店である「茶來茶」の発売している、中国茶・台湾茶のパッケージデザインです。「茶來茶」は神戸発の黒糖タピオカミルクティー専門店として人気が高く、特に若い世代から愛されているお店。そのため、若い人たちにも中国茶を身近に感じてもらえるよう、モダンでかわいい見た目を意識しています。
歴史深い中国茶を表現するために、和紙のようなざらつきとしっとりとしたテクスチャのパッケージを採用。手書き風の模様と商品名をあしらい、お店のコンセプトとリンクさせているでしょう。

プライベートブランド商品の黒ウーロン茶のパッケージデザインの事例です。あえて派手さを出し、ライトな感じを演出するのではなく、ブラックを基調とした重厚感のあるデザインが特徴的になっています。商品名の通り黒を全面に押し出し、ゴールドを表面下部にプラスすることで、より高級感さえ感じるでしょう。また中央部に絵を描くことで、オリジナリティをプラスしています。消費者に伝えたいことをゴールドで記載し、目に留まりやすいように配置。「中国福建省産茶葉100%使用」「水仙種茶葉を使用」など、消費者の購買意欲をくすぐるワードが記載されてあれば、どんな味なのか試しに飲んでみたいと思わせるでしょう。また「総ポリフェノール1,000mg含有」は商品名と同じ白で書かれ、健康志向の人への訴求も忘れていません。あえて色味を抑えることで、商品棚に並んだ時に存在感を醸し出すでしょう。