お酒

お酒のパッケージデザイン会社探しをする前に、デザインが及ぼす影響や事例を紹介し、話題の制作会社もピックアップして取り上げたいと思います。

ひと口にお酒といっても、ビール、ワイン、焼酎、日本酒、そして近年では、ハイボールのブームなど、種類は実に様々です。それゆえに、商品コンセプトやマーケティング戦略、ターゲット設定なども、多種多様なものが求められます。例えばフルーティな味わいのものと、苦味やコクを極めたものは、当然求められる戦略やデザインは変わってきます。つまり、お酒という分野は、実に奥が深い世界であるということです(決して、他の分野が単純で簡単という意味ではありませんが)。

事例も沢山ありますが、例えば近年の健康嗜好を反映した「糖質&プリン体0の発泡酒」。主要4メーカーは、いずれも、このセグメントの商品のアイデンティティとして、青または水色をシンボルカラーとしています。パッケージとして一番人気となったのは、この分野の先駆者であるサッポロの「極ZERO」で、クラデーションの青の地色に金のアクセントカラーというデザイン。ただし、僅差の2位となったのは、発泡酒の分野ですでに地位を確立していたキリンの「淡麗プラチナダブル」。既存の淡麗ブランドの強みを活かし、淡麗のデザイン要素を踏襲しながら、青をアクセントカラーに加えるという手法でサッポロに肉薄。とりわけ60代以上の男性には、サッポロより好感度が上回るといった具合です。

ゼロゼロ発泡酒という一ジャンルだけを見ても、このような攻防が行われているのです。繰り返しになりますが、お酒という分野のパッケージデザインの際は、この分野への精通度合いや、戦略性や企画力といったところがかなり重要になってきます。

お酒のパッケージデザインに強いデザイン会社3選

本サイトで取り上げている中で、お酒のパッケージデザインで話題となっているのは、以下の3つのデザイン会社が挙げられます。

ミニラクリエイティブ

SSI認定「きき酒師」でもある社長のもと、「好きこそものの上手なれ」で、地ビールや地ワイン、地酒といった、大手メーカーとは違うこだわりをもつ商品のパッケージを多数担当。市場調査や分析、ブランドコンセプトの立案といったところまで踏み込んでのサービスを提供しています。

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関和デザイン

代表作は、地ビールの先駆者的存在の「銀河高原ビール」。ブルーの夜空に2匹のトナカイというシンボルは、今や確固たるブランドになっています。1996年の発売開始以来、ビール15種、ボトルビール3種、シーズンビール10種をすべて手がけているとのこと。

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シュンビン

元々は樽やビンの製造業者。オリジナル形状のビン制作が評判となり、パッケージデザインにも進出しています。愛媛の温州みかんを本格焼酎にブレンドした「みかんの酒」、ルーマニアワインのハロウイン向け外装パッケージなど、個性的な事例を多数手がけています。

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その他のパッケージデザインリニューアル成功事例

株式会社 杵の川

こちらの会社は、元々は別の会社だった4つの酒造メーカーが合併して創設。

そのため、合併時に「杵の川」という新ブランドを立ち上げたものの、それぞれが継承した各ブランドもあるなど、それぞれのブランドの立ち位置が社内的にも混乱しているという状態が続いていました。

これを受け、まずは商品のラベルに統一感を持たせることから始めました。「杵の川」の文字は、地元の書家さんに新しく書いてもらったほか、デザインでは諫早と長崎の名所「眼鏡橋」をイメージしたロゴを配置。地元で長く愛され続ける蔵であるようにとの思いから、「よか人とよか酒を育む蔵」というキャッチコピーも決めました。

その結果、目指すべきブランド像を確立することで社員たちの士気もアップ。これまで以上にブランド対する思いを共有することができるようになりました。例えば、製造ではブランディングによって良いお酒を定義づけることができるようになり、お酒の品質自体も向上。その成果が認められ、様々な賞を受賞するようになったのです。また営業では、ラベルを一新したことやその理由、どういう思いで酒造りを行っているのかを来店客に自信を持って案内できるようになりました。

パッケージデザインをリニューアルすることで、杵の川としての振る舞いが定まり、考え方のベクトルも一致。社員のモチベーションがアップし、現在では採用においても好影響をもたらしているようです。

明石酒類醸造

兵庫県の酒造メーカーである明石酒類醸造は、2018年、5種類の清酒からなるブランド「明石鯛」のデザインを刷新しました。

デザインを一新する以前のものは、単に鯛の絵が描かれているもので、特別なプレミアム感や職人技などが感じられるようなものではありませんでした。とはいえ、魚の王様として知られる鯛の中でも品質が高いことでも有名な明石鯛。この鯛に負けないお酒を造ろうとの思いがあることから鯛は欠かせないモチーフ。

そこでリブランディングを手掛けたコンサルティング会社「コーワン」は以前よりも書道らしさを全面に押し出したものへと変更することに決めたのです。デザインはフランスの有名アーティスト、書は人気書道家の平野壮弦氏が担当。これにより日本ならではの清らかさと、アイコニックかつ力強いビジュアルを完璧なバランスで実現し、欧米の人々を魅了するデザインでありながら、国内消費者に向けても揺るぎない伝統への信頼感を醸成するものとなったのです。