お酒のパッケージデザイン会社探しをする前に、デザインが及ぼす影響や事例を紹介し、パッケージデザイン制作会社もピックアップして取り上げたいと思います。
ひと口にお酒といっても、ビール、ワイン、焼酎、日本酒、そして近年では、ハイボールのブームなど、種類は実に様々です。それゆえに、商品コンセプトやマーケティング戦略、ターゲット設定なども、多種多様なものが求められます。例えばフルーティな味わいのものと、苦味やコクを極めたものは、当然求められる戦略やデザインは変わってきます。つまり、お酒という分野は、実に奥が深い世界であるということです(決して、他の分野が単純で簡単という意味ではありませんが)。
事例も沢山ありますが、例えば近年の健康嗜好を反映した「糖質&プリン体0の発泡酒」。主要4メーカーは、いずれも、このセグメントの商品のアイデンティティとして、青または水色をシンボルカラーとしています。パッケージとして一番人気となったのは、サッポロの「極ZERO」で、クラデーションの青の地色に金のアクセントカラーというデザイン。ただし、僅差の2位となったのは、発泡酒の分野ですでに地位を確立していたキリンの「淡麗プラチナダブル」。既存の淡麗ブランドの強みを活かし、淡麗のデザイン要素を踏襲しながら、青をアクセントカラーに加えるという手法でサッポロに肉薄。とりわけ60代以上の男性には、サッポロより好感度が上回るといった具合です。
ゼロゼロ発泡酒という一ジャンルだけを見ても、このような攻防が行われているのです。繰り返しになりますが、お酒という分野のパッケージデザインの際は、この分野への精通度合いや、戦略性や企画力といったところがかなり重要になってきます。
本サイトで取り上げている中で、お酒のパッケージデザインで話題となっているのは、以下の3つのデザイン会社が挙げられます。当サイトで紹介しているお酒のパッケージデザイン制作会社の中から、商品パッケージの制作だけではなく、商品の開発からパッケージデザイン、販促ツール、広告・PRに至るまでワンストップで対応してくれる会社を紹介。※制作事例数が多い順に3社。
選定会社:※公式HPに制作事例として公開をしている取引社数が多い会社を選出しています。(2021年6月調査)
ミニラクリエイティブ 7社
ブラビス 2社
ヘルメス 2社
SSI認定「きき酒師」でもある社長のもと、「好きこそものの上手なれ」で、地ビールや地ワイン、地酒といった、大手メーカーとは違うこだわりをもつ商品のパッケージを多数担当。市場調査や分析、ブランドコンセプトの立案といったところまで踏み込んでのサービスを提供しています。
キリンの「キリン一番搾り糖質0」は同社が手がけたパッケージデザイン。目新しさとブランドが持つDNAをデザインにより表現。世界6ヶ所を拠点とするブランディングのスペシャリストである同社ならではのパッケージデザインを提案しています。
ヘルメスではキリンの「カラダFREE」などお酒のパッケージデザインも手がけています。1991年に創業した同社には、76名のクリエイターが在籍。クライアントのビジョンをしっかりとヒアリングした上で多彩なアイディアを提案し、プロジェクトを成功に導きます。
こちらの会社は、元々は別の会社だった4つの酒造メーカーが合併して創設。
そのため、合併時に「杵の川」という新ブランドを立ち上げたものの、それぞれが継承した各ブランドもあるなど、それぞれのブランドの立ち位置が社内的にも混乱しているという状態が続いていました。
これを受け、まずは商品のラベルに統一感を持たせることから始めました。「杵の川」の文字は、地元の書家さんに新しく書いてもらったほか、デザインでは諫早と長崎の名所「眼鏡橋」をイメージしたロゴを配置。地元で長く愛され続ける蔵であるようにとの思いから、「よか人とよか酒を育む蔵」というキャッチコピーも決めました。
その結果、目指すべきブランド像を確立することで社員たちの士気もアップ。これまで以上にブランド対する思いを共有することができるようになりました。例えば、製造ではブランディングによって良いお酒を定義づけることができるようになり、お酒の品質自体も向上。その成果が認められるようになったのです。また営業では、ラベルを一新したことやその理由、どういう思いで酒造りを行っているのかを来店客に自信を持って案内できるようになりました。
パッケージデザインをリニューアルすることで、杵の川としての振る舞いが定まり、考え方のベクトルも一致。社員のモチベーションがアップし、現在では採用においても好影響をもたらしているようです。
兵庫県の酒造メーカーである明石酒類醸造は、2018年、5種類の清酒からなるブランド「明石鯛」のデザインを刷新しました。
デザインを一新する以前のものは、単に鯛の絵が描かれているもので、特別なプレミアム感や職人技などが感じられるようなものではありませんでした。とはいえ、魚の王様として知られる鯛の中でも品質が高いことでも有名な明石鯛。この鯛に負けないお酒を造ろうとの思いがあることから鯛は欠かせないモチーフ。
そこでリブランディングを手掛けたコンサルティング会社「コーワン」は以前よりも書道らしさを全面に押し出したものへと変更することに決めたのです。デザインはフランスの有名アーティスト、書は人気書道家の平野壮弦氏が担当。これにより日本ならではの清らかさと、アイコニックかつ力強いビジュアルを絶妙なバランスで実現し、欧米の人々を魅了するデザインでありながら、国内消費者に向けても揺るぎない伝統への信頼感を醸成するものとなったのです。
日本で初めて糖質ゼロのビールとして販売されたのが、キリン一番搾り糖質0です。糖質ゼロという現在のニーズに応えた商品として注目され、ビール業界に旋風を巻き起こしました。今までなかった商品の特徴だけに、パッケージでは新たな製品という印象をつけることも重要なポイント。しかしキリンビールの一番搾りというブランドイメージは、そのまま生かしたデザインでなければなりません。
そこでキリンビールの一番搾りということが一目で分かるように、麒麟・金色の帯・雫のマークはそのままにし、一番搾りということが一瞬で周知できるようにデザインしています。さらに新たなビールという印象を与えるために、あえて今まで使用していなかったブルーというカラーを採用。ビールとしての新イメージを打ち出しつつ、美味しさやさわやかさ、贅沢な感じを表現しています。
キリンビール一番搾りというブランド力も備えつつ、現代のニーズにも応えたことが瞬時に伝わるデザインです。
キリンの氷結と言えば、2001年に誕生し、チューハイ市場の中でも支持を得てきたお酒です。氷結の魅力と言えば、スッキリとした味わいでありながら、果実感のすばらしさなどでしょう。発売20年を迎えた現代も人気は高いまま。
消費者がより満足できるように、氷結のリニューアルを行い、パッケージデザインも新しく生まれ変わりました。満足度を高めるために、従来よりも本格的な味わいを表現。これまでの放射線状のデザインではなく、ブランドカラーのシルバーと紺色の2色を使用した分かりやすいデザインに変更しました。よりカラーを強調し、フルーツのサイズを小さくすることで、空間にゆとりを持たせ本格的な印象を与えるようデザイン。また従来の缶のデコボコは氷結の特徴でもあったので、あえたカット部分を強調することで氷結のブランド力を高めているでしょう。
氷結ブランドであるストロングシリーズも、同じようなフォーマットにすることで氷結ブランドという統一を図り、より分かりやすく氷結をアピールしています。
長期樽貯蔵焼酎のパイオニア的存在でもある田苑酒造。18年という長い歳月をかけて開発したの商品が「エンヴァレシーダ」。芋焼酎を貯蔵するのは非常に珍しく、アルコール業界でも話題になった新商品です。
芋焼酎と言えば、徐々に女性の支持も増やしていますが、未だに男性色が強い製品です。芋特有の香りなどもあり、若い年齢層からの支持が得られにくい状態でした。そこで従来の芋焼酎のイメージを払拭し、手に取りやすいパッケージをデザイン。草木をパッケージにデザインし、パッと見て焼酎と分からない状態に。さらに商品名を「ENVELHECIDA」とローマ字表記に変更し、その下に小さくカタカナで呼び方を添えています。オシャレなお酒というインパクトを与えているでしょう。
ゴールドを活用することで、高級感も表現しており、贅沢かつ特別なお酒というブランドイメージを伝えています。
飛騨高山にある地ビールの会社「古里古里の国」の新商品「飛騨ホワイトビール」です。このビールは飛騨のお米をふんだんに使用し、まろやかな味わいが特徴的で、飛騨の自然をそのまま詰め込んだかのような美味しいビールになっています。
このビールの美味しさをアピールするために、ラベルだけでなく、瓶の容器から蓋の色にまで徹底的にこだわりました。明らかにビールというインパクトを与えるのではなく、シンプルなデザインを採用。あえてシンプルなデザインにすることで、雑味のないさわやかな印象が伝わってくるでしょう。また瓶の容器をキレイなブルーにし、飛騨の壮大な自然の魅力を感じさせてくれます。
ビール好きだけをターゲットにせず、様々な方が手に取りやすいデザインになっているのは、このビールならではの魅力です。
パッと目を惹くデザインに仕上がった「飛騨乃辛燗」。これは飛騨にある地酒を扱っている平瀬酒造から販売している日本酒です。辛燗という響きだけで分かるように、お燗専用に製造したお酒で、熱燗好きにはたまらない品でしょう。もちろんお燗だけでなく、常温や冷やでも美味しくいただけます。
この日本酒の面白いところは、遊び心がある字体。どこか可愛らしく、スタイリッシュな字体は人目を引くこと間違いなし。「どんなお酒なのか?」と、多くの人がつい手に取ってしますでしょう。赤色のパッケージは特別純米で、白色のパッケージは本醸造になっており、ハッキリと分かるように色分けしているのも特徴的です。これほどのインパクトがあれば、日本酒に興味のなかった層への購入意欲を高めることができるでしょう。
アルゼンチン産のワインのパッケージです。ワインといえば非常にシンプルなパッケージデザインのものが圧倒的に多いでしょう。そうすることで高級感を演出し、特別な記念日に飲むお酒という印象を強めることができます。
しかし、あえて可愛らしいデザインをあしらったパッケージを採用。高級感というイメージを払拭し、アットホームで毎日でも楽しめるお酒というインパクトを与えてくれています。ワインというハードルをなくすことで、市場を拡大することができ、これまでワインを飲んだことのないような方々にも購入意欲を湧かせることができるでしょう。ワインを楽しんだあとの空き瓶もインテリアとして活用できそうな点も魅力のひとつです。
「白鶴まる」はCMでも有名なお酒で、誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。長年親しまれてきた有名なお酒なので、これまでの愛飲者にも支持が得られるようなデザインにリニューアル。
イメージカラーでもある赤色はそのまま踏襲しているので、これまでの愛飲者も抵抗なく購入できるデザインになっています。力強い白い丸は、従来よりもきれいな円に近づけ、より洗練したデザインに生まれ変わっているでしょう。さらに黄色のリボンをあしらうことによって、白鶴まるのセールスポイントを目立たせるだけでなく、美味しさを効率的に伝えるアイテムにもなっています。
白鶴まるの伝統を守りつつ、現代にフィットしたシンプルなデザインになっており、新たな愛飲者を呼び込むことができそうです。
熊本の天草市にある天草酒造で製造している焼酎の中でも天草島内で限定して販売している商品です。ほぼ透明のお酒であり、アルコール度数も低いので、普段焼酎を嗜むことがない方も飲みやすいでしょう。
デザインには天草をアピールできるように「A」の文字を活かし、キリスト教の影響も強いことから十字架を組み合わせたパッケージデザインを採用。スッキリとした味わいが分かるように白と水色だけの配色になっており、女性も気軽に購入できるデザインになっています。手土産としても渡しやすいため、天草の観光記念としてひとつは購入したくなるでしょう。
洋酒をブレンドしたスッキリした味わいの梅酒のパッケージデザインの事例です。白を背景にし、グラスに注いだ梅酒の写真を掲載しています。グラスに注ぐことで、ブランデーが配合されていることをさりげなくアピールし、高級感のある印象を与えることができるでしょう。また「あっさり梅酒」のパッケージには爽やかなイメージのある緑色を採用し、飲みやすさをアピール。一方「あっさり黒糖梅酒」のパッケージには茶色を採用し、黒糖の風味をダイレクトに伝えてくれます。
さらに両方とものパッケージにはゴールドが波打つデザインも取り入れているのも、シンプルになりすぎない魅力的なデザインのポイントです。店頭に並んだ時「たっぷり2ℓ」という言葉が隠れないため、お得感が伝わるのも消費者に購入させやすくしてくれるでしょう。
淡いピンク色のパッケージが、女性ココロをキュッと掴む梅酒のパッケージ事例です。淡いピンクとグリーンのポワンとしたドット柄がデザインされており、ほんわか梅酒を頂いたような気持ちを抱かせてくれます。グラスに梅酒が注がれた画像がパッケージの中央部に配置しており、その横には梅の実がふたつ。その上には梅の実がなっている絵柄が描かれ、より可愛らしさのある雰囲気になっています。「カロリー20%オフ」という言葉が赤い丸で囲まれているので、ダイエットを気にしている方にも買いやすくなっているでしょう。また上部には「国産梅100%使用」という言葉を添えており、産地にもこだわった梅酒ということが一瞬で伝わります。
女性をターゲットにしているからこそ、色使いにもこだわり、購入しやすいカラーリングを意識。部屋に置いたときも、違和感のないパッケージに仕上がっているでしょう。
キリン のどごしは、「第三のビール」として誕生した「その他の醸造酒(発泡性)」に分類されるお酒です。「新ブラウニング製法」によって、飲んだ瞬間の美味しさと飲んだ後のキレを実現。コクとキレのバランスの良さが人気です。
より多くの消費者から選ばれる商品となるよう、太鼓判と名高い「のどごし〈生〉」のロゴマークそのままに、味のリニューアルをしっかりと伝えるために「新!」の文字をあしらっています。
ビール造りにおいて120年以上の歴史を誇るキリンが、これまで培ってきた技術と経験のすべてを注いだ「第4のビール」です。雑味がほとんどなく麦本来の味わいを楽しめる、飲み飽きないうまさをカタチにしています。
パッケージデザインは、「KATANA(刀)」をコンセプトにシンプルかつ洗礼された装いに。青をベースとしたグラデーションで雑味のないさっぱりとした飲み心地を表現しており、これまでのキリンにはなかったデザインが消費者の目を引きます。
2019年秋に販売を開始したノンアルコールビールテイスト飲料で、「お腹まわりの脂肪を減らす」機能性表示食品として誕生しました。機能性関与成分には熟成ホップ由来苦味酸を配合しており、多くの人が気になるお腹周りの脂肪燃焼に一役買ってくれます。
パッケージデザインでは、機能表示が分かりやすいようリニューアル。白とスカイブルー、淡い金色のカラーリングに差し色として赤を配しすることで、注目してほしい文字を強調しています。
札幌生ビール黒ラベルの高山祭りデザイン缶のラベルをデザインした事例です。
飛騨高山ならではの伝統と文化を分かりやすく伝えるように、23の高山祭屋台を3色のシルエットで表現しており、それぞれの屋台が持つ特色が際立つように配置しています。ユネスコにも登録された高山屋台が持っている魅力をダイレクトに伝わってくるでしょう。3色の鮮やかな色使いが祭りの華やかで楽しげな雰囲気も演出しています。
もちろん黒ラベルというビールブランドが明確に伝わるように、黒ラベルのロゴをビール缶の下部にデザインしているので、既存のファンはそのままに、新たなファンも獲得しやすいでしょう。ビールに興味がなかった女性も、そのオシャレなデザイン缶ということで手に取りやすくなっており、一度飲んでみたくなるような可愛らしさも兼ね備えています。
アサヒビールから販売された新ジャンル「アサヒ ザ・リッチ」のパッケージデザインの事例です。
アサヒ ザ・リッチのブランド史上でも傑作!と表現できるほどの出来栄えという評価が得られており、こだわりの製法と原材料によってコク深い味わいを実現しています。そのためパッケージは高級感を演出し、他のビールとは一線を画すラグジュアリーな雰囲気が伝わってくるでしょう。深いブルーをメインカラーにし、ゴールドで商品名などを記載。さらに赤色を中央部にプラスすることで、より特別な印象を受けます。深みのあるブルーだからこその趣もあり、ブランドのイメージとピッタリ。
頑張ったご褒美に自分で買うも良し、大切な誰かへの贈り物にもピッタリのデザインと言えるでしょう。普段とは少し格上のイメージもあるので、ギフトを受け取った方も特別な感じが伝わるはずです。
オリオンビールから販売している「オリオンいちばん桜」のパッケージデザインの事例です。
一瞬で缶の中央に大きく描かれている桜のモチーフに目が留まるでしょう。一度見たら忘れられないパッケージデザインになっており、桜というイメージを強く植え付けることができます。また青から白にかけてグラデーションがされており、青空と桜のコントラストがひときわ目を引きます。花見をしたくなるような感覚さえ受けるでしょう。また6本パックの場合、桜は写真になっており、より花見のお供にしたくなる演出がされています。あえて写真にすることで、より消費者に強いインパクトを与えることでしょう。
「いちばん桜」という商品名にピッタリのパッケージデザインになっており、パッケージから商品名が連想しやすくなっています。もちろんオリオンビールらしさは、パッケージに残されているのも魅力的なポイントです。
巨林フーズ&リカーから販売されている「旬の麦」のアルミ缶や6缶パック、トレーのパッケージをデザインした事例です。
主力商品である「麦の頂」を継承したジオメトリックなパターンがあり、迫力のある山の頂をモチーフにデザインされています。爽快さが伝わるように鮮やかな青色をメインカラーとし、ビールのカラーであるイエローで山の頂を表現することで、コントラストが明確になり華やかなイメージを伝えているでしょう。
同じシリーズの「旬麦」は基本的なデザインはそのまま残し、ゴールドをメインカラー、山の頂は白色で配色しています。また背景には麦をモチーフにした絵を描くことで、よりビールのポップをアピール。さらに糖質50%オフの「麦の頂」は他の2種類とは印象をガラッと変え、白色をメインカラーにしており、随所に緑と金色を使用することで優しさも感じるでしょう。
AnyMind JapanのARAKAブランドの新商品である「ARAKA OUTDOOR BEER」のパッケージデザインの事例です。
アウトドアを楽しむ方々のための嗜好性の高いビールとして開発されており、山のイラストをメインに描き、アウトドアならではの大胆さや無骨さを表現しています。また自然の中で調和できることを意識しており、アース系のブラウンとブルーグレーのカラーリングを実施。全体をブラックの配色にし、全体に疑似エンボス加工することで、昼と夜に全く異なる見え方をするようになっています。そのためアウトドアだからこそ、一日を通して印象が変わるデザインを楽しむことができるでしょう。シックなカラーリングのため、日の光を通してみると、全く違う趣きを感じさせてくれます。主役は山であり、緑であり、自然という認識があるため、色味は抑えたデザインに仕上げているでしょう。
株式会社ビール飛騨が手掛ける「飛騨ビール」のパッケージデザインの事例です。ケルシュとアルトの2種類があり、それぞれのデザインを統一することで同じ姉妹ブランドと認識しやすくなります。ケルシュはベージュ系のカラーを全体に配色し、アルトはブラウン系のカラーを配色。パッとスグに味の違いが分かるようになり、2本の味を比較させることで購買数アップにもつながるでしょう。また飛騨ビールの「飛」という文字をアレンジし、ブランドのロゴとして採用。どこか可愛らしいデザインにすることで、女性も買いやすいデザインになっているでしょう。ビールと言えば男性だけをターゲットにしがちですが、あえて柔らかなフォントを用いることで、ビールに興味のない方に対してもアピールできるというメリットがあります。多くの方々に手に取ってもらえれば、購入者を増やしやすくなるでしょう。
株式会社協同商事 コエドブルワリーから市販されている「COEDO」のパッケージデザイン事例です。COEDOはクラフトビールで、地ビールの新たな道を開拓できるデザインを目指して作成されました。テイストごとにカラーリングを分けており、ブランド名である「COEDO」の文字をちりばめたようなデザインになっています。COEDOのブランドロゴを上部にデザインし、ボトルの中央には「COEDO」の商品名を表記。瓶と同様なデザインを缶でも表現しているため、同じメーカーの商品と分かりやすいでしょう。クラフトビールを購入するターゲット層は、ビール愛好者ばかりです。そのターゲットを広げるために、あえてビールらしいデザインは控え、オシャレ度の高いシンプルなデザインを採用。泡などの模様をデザインしないことで、オリジナルさも演出しています。
人気のビールであるオリオンビールから販売されている「サザンスター 10周年テラマ缶」のパッケージデザイン事例です。オリオンビールならではのブルーはそのまま残し、赤い3つ星もデザインされています。大きなクジラやイルカ、クラゲなどを白色で描き、海の中にイルカのようなイメージを演出。パッと見て、ビールと思わせないデザイン性になっており、ビール好きではない方々の購買意欲も高められ、新規顧客ゲットにもつながるでしょう。裏面には白とゴールドを用いたデザインを採用し、ビールの麦などを描いています。また10周年記念ということが分かるように上部にしっかりと明記しているため、レア感も伝わりやすいでしょう。オリオンビールのファンからも親しまれやすいパッケージになっており、既存のファンも裏切ることはありません。
キリンから毎年秋の定番として販売されている期間限定商品「キリン秋味」のパッケージデザインの事例です。キリンには根強い愛好者も多くおり、そのファン層も決して裏切らず、しかし秋らしさも感じられるデザインに仕上げています。まずは麒麟のモチーフはそのまま残し、キリンブランドとハッキリ伝わるようにデザイン。さらに秋らしさを伝えるために沢山のもみじの葉を描いています。赤だけでなく、ゴールドや緑をプラスすることで、華やかなデザインになっているでしょう。「秋味」という商品名も缶前面に大きく表示し、さらに「秋だけの限定ビール」と添えることで、特別感のある印象に。期間限定など一定の時期しか販売されないと分かれば、購入したいという購買心理がそそれるでしょう。また「麦芽1.3本分」とあえて書くことで、しっかりとした味わいということも伝わります。
メモリーズから発売されているクラフトコーラ用のラベルをデザインした事例です。レモン果汁がたっぷり入っていることが伝わるように、レモンを描いたデザインを採用。中央部にはエメラルドグリーンを背景に商品名などを英字で記しています。どこか可愛らしい印象を与えるデザインになっているため、クラフトビールに興味がなかった女性でもパッケージ買いしたくなるような商品になっているでしょう。自分用だけでなく、ギフト用にしてもオシャレなデザインなので、きっと喜ばれるはず。またクラフトコーラを入れるボックスは黄色になっており、非常に派手なインパクトのあるボックスです。お酒というイメージを払拭し、ただインテリアとしても気に入られるでしょう。ラベルのシールはマットな質感になっており、耐久性の高い素材を使用。そのため、お酒をこぼした時もラベルが破ける心配はほとんどありません。
オリオンビールから発売されたシークァーサーのビアカクテルのデザイン事例です。沖縄と言えばオリオンビールというイメージを抱く方も多いほど、沖縄のイメージが強いビールから出たシークァーサー味のカクテルなので、中央部にはシークァーサーの断面の柄が描かれています。さらにシークァーサーから絞ったかのような雫がビールに落ちるようなデザインになっているため、デザインだけでどのような商品なのかが消費者に伝わるでしょう。またオリオンビールとアサヒビールの共同開発ということも、しっかり明記してあるためオリオンビールファンだけでなく、アサヒビールファンの心も揺さぶるはずです。オリオンビールらしいポップな色遣いになっており、女性など幅広い方々にとって買いやすくなるパッケージも魅力のひとつでしょう。数量限定というフレーズも買われやすいポイント。
キリンビールから販売された復刻版のビールのデザイン事例です。明治と大正の2種類がラインナップされており、両方ともにクラッシックなリボンを組み合わせ歴史的な風格を醸し出しています。創立100年を記念して明治時代・大正時代のラガーを復刻したもので、明治にはブルー、大正にはホワイトをメインカラーにし、落ち着いた風合いに仕上がっているでしょう。
キリンファンの期待を裏切らないように、キリンシリーズのデザインのイメージはそのまま採用。キリンをモチーフにしたデザインは一瞬でキリンシリーズだと判断できるでしょう。「復刻ラガー」という文言をビール缶の中央部に配置しており、キリンファンであれば一度手にしたくなるようなパッケージになっています。またキリンファンでなくても、趣きのあるデザインに惹かれてしまうはず。どこか懐かしいような、レトロな雰囲気のある魅力的なデザインです。
ヨーロッパの伝統的な発酵法を取り入れたゴールデンエールクラフトビールです。ゴールデンエールはその名の通り、美しい黄金色が特徴のビールで、豪華な香りと滑らかな味わいを体験できます。
もともとMacau Beer Golden Aleは、ゴージャスなマカオのカジノで出されていたので、煌びやかな世界観にぴったりなブランドとしてパッケージデザインを一新。ブランドカラーのグリーンとゴールドを組み合わせたうえ、マカオのシンボルである聖ポール天主堂跡とタイル柄を意匠化し、落ち着きのある高級感を演出しています。
ドイツのワインメーカーで作られたクラフトビールで、軽い酸味と澄んだ飲み口が特徴なアルコール度数控えめのビールです。透き通るように美しい色味は、ドイツ語で「白」を意味する「ヴァイセ」の名前そのもの。苦みが少なく、ビールが苦手な人でも飲みやすいのも魅力です。
Berliner Weisseは19世紀頃から愛されているビールのため、パッケージにはレトロなデザインを採用しています。
黒ビールに分類されるスタウトは、独特の苦みとガツンとした香りを楽しめるビールです。スタウト自体は18世紀後半頃に誕生した歴史の深いビールですが、こちらの商品は若者をターゲットとしており、ブラックラガーの魅力を表すためにデザインをリニューアル。
スッキリとした黒のラベルは、力強さとともにチョコレートやコーヒーに似た香りを表現。アイキャッチ要素として描いた鷲の翼は、韓国国内の有名ブランドとしてのプライドを感じさせます。
中国KIRINから発売されている海珠ビールのパッケージデザインの事例です。
ゴールドとブルーをベースカラーにしており、ビールの王道をしっかり押さえてあるデザインになっており、ビール好きに対しても訴求することができるでしょう。また確かな品質が伝わるようなデザインも魅力的です。ビール市場としてはほとんどないフルシュリンクデザインを採用しており、クラフトビールのようなこだわりも感じるダイナミックなレイアウトを実現。これまでのビールのイメージにとらわれず、現代的なブランドイメージへと刷新しています。
流線を描くことで柔らかい泡を印象付け、さらに女性の影をモチーフにしたデザインを描くことで飲みやすさを消費者にアピール。若者をターゲットにした商品ならではのデザインに仕上がっているので、幅広い消費者への購入意欲をアップさせています。
山形県の鶴岡市にある加藤嘉八郎酒造で醸造されている日本酒で、淡麗辛口でありながら酒そのものの旨味もしっかりと感じられます。製造工程の中では特に精米にこだわっており、精米歩合20%の高精白を使用しているため、より雑味の少ないクリアな質感を楽しむことが可能です。
パッケージの「大山」という筆文字は、加藤嘉八郎酒造の代表が書いたもの。日本酒度ごとに背景と筆文字の色を変え、シンプルながらも個性を感じられるデザインに仕上げているでしょう。
新潟県新発田市の菊水酒造で製造している日本酒「菊水」から、「都心のタワーマンションで飲む日本酒」をイメージした商品が登場。菊水というと、スーパーやコンビニでも買える身近な日本酒のイメージが強いですが、若い人やおしゃれを意識する人をターゲットに作られています。
使用している容器は、ワインボトルをメインとしたボトルをリユースしたもの。そこにシンプルなラベルを付け、1本1本表情の異なるパッケージに。これまでの日本酒にはない、新しいスタイルを実現しています。
百貨店用ギフト限定の日本酒で、「女性視点にフィーチャーしたお酒のギフト」をコンセプトに製造されています。その名の通り「アートな日本酒」をキーワードとして、びいどろのようにころんと丸みを帯びたデザインを採用。まるで、お米の甘みを感じる濃厚な口当たりと、ふんわりと広がる上品な香りを表現しているかのようです。
華やかさと落ち着きのバランスが取れたカラーリングは、世代を問わず多くの女性を魅力することでしょう。
長き伝統を誇る白鶴酒造が開発して翔雲のパッケージデザインの事例です。
ラベルには淡い筆の優しいタッチで白鶴錦が実っている田園風景や清らかな空気感を描いており、飛び交う鶴を描くことによって広々とした空や大地を表現し、白い線は稲穂が揺れ動いている様を感じさせます。「翔雲」という商品名のロゴには、キラッと光る箔をつけており、水田の反射光のイメージが伝わってくるでしょう。
またボトル自体は伸びやかなネックの部分から底に向かって、緩やかに広がるような形状を採用。ボトルからも優雅に空を舞う鶴をイメージしています。ボトルを入れる外箱は、全体を白で統一。真っ白な背景に鶴を舞わせたデザインは、伝統ある酒造会社から販売されている品ということをアピールしています。純米吟醸の白鶴錦には青色、純米大吟醸の自社栽培白鶴錦には箔をつけたロゴをデザインし、両者の違いを明確になっているでしょう。
全国酒販協同組合連合会より販売している「えびす寿」のパッケージデザインの事例です。
日本酒は近年若い年齢層や海外でも人気を博しており、様々な方に愛飲されている商品と言えるでしょう。そのため、幅広い層に支持されるデザインに仕上げています。従来のラベルよりも落ち着き感や上質感、高級感を持たせており、製品のイメージに合ったデザインを採用。あえて派手なカラーは使用せずに、シックで落ち着きのある佇まいを演出しています。ゴールドで「寿」と描かれたロゴは、オシャレで可愛らしい雰囲気に。また海外に販促することも踏まえ、ローマ字表記もされてあります。真っ白な背景に「えびす」という商品名とロゴ、ローマ字表記、特別純米酒だけというシンプルなデザインは、この日本酒自体が濁りのない、まろやかな味わいというイメージを強調しているのです。
愛知県高浜市のお酒の商品名とラベルデザイン。安心して飲める美味しい日本酒をめざし、米作りからこだわったお酒です。農薬や肥料を与えず、自然栽培米を原料として高浜の地で育てられたのだと言われています。
子どもたちに食べ物の大切さを知ってもらえたらと考え、無農薬のお米を機械を使わずに手で植えて酒米からつくられているのが特徴。米の良さを生かすために、あえてほとんど精米せずに日本酒にしたのだそうです。
完成したお酒を居酒屋や店舗に置いてもらうことで、高浜市に住む人々がさまざまな形で関わり地域を盛り上げたいとの思いから、「子どもが土地(高浜市)を盛り上げる」という意味を込めて、「子土盛(こども)」と名づけられたと言われています。「高浜市民に自分のこどものように愛してもらえたら」という願いをこめて、イラストはあえて子どもが描いたような無邪気で親しみやすい雰囲気に仕上げています。
寒紅梅酒造は、三重県津市に店舗を構えている酒造です。定番の日本酒をはじめ、季節限定のお酒やリキュールなど、さまざまな種類のものを取り揃えていることが特徴に挙げられます。ノ貫(ヘチカン) は、千利休と同じ時代を生きた茶人です。当時の流行であった高価な茶器を持たず、雑炊を焚いた釡を茶釡に使用するほど道具に無関心だったのだそうです。丿貫は、名声を欲することなく、雲のように自由に生きたと言われています。
澄んだ湧水を飲んだときに、「美味しい」と思わず口に出るくらい、まるで天然サイダーのような味わいのお酒を目指したと言われています。
このシリーズは、日本酒はこうあるべきという概念から解き放たれたお酒であり、すべてのシリーズに炭酸を思わせる水玉を使用して、上品に仕上げられています。
創業1645年の招徳酒造は、京都伏見にある酒蔵です。お酒は天然自然の恵みであり、先人たちの知恵と工夫の賜物だという考え方を持つ酒蔵。そんな招徳酒造が作るお酒は、持てる技術と伝統をすべて発揮した仕上がりになっているのだそうです。
京都柚子酒は豊かな香りを楽しめるお酒。京都・綾部で収穫された柚子を手搾りで搾ったものだけを使っています。京都梅酒は、青梅を使用した甘さ控えめなお酒で、濃厚な味わいが魅力です。どちらも素材本来の旨味や香りを活かした商品となっており、多くの方に支持されています。
以前使用されていたラベルは銀色で文字を描かれたシンプルなものでしたが、新しいラベルにはレターデザインを用いています。背景は市松模様に変更され、レトロな雰囲気で親しみやすくも高級感ただよう仕上がりになっています。
室町酒造は、岡山県にある歴史ある酒造です。つくられるお酒は製法にこだわりがあり、フルーツの洗浄から皮むき、絞る工程など、すべて手作業で行っているのだそう。むかしはなしシリーズは、地元岡山産の大粒のピオーネや温暖な気候で育った瀬戸内レモンなど、素材にこだわった贅沢なお酒です。
上記の他には、岡山県産の清水白桃をたっぷり用いた白桃酒や地元産の柚子を使ったお酒、岡山県赤磐産の古城梅を日本酒に2年以上漬け込んだ梅酒などもあります。手作業で丁寧につくられており、果実本来の香りや旨味をたっぷり楽しめる仕上がりとなっているのが魅力です。
「むかしはなし」は、5シリーズをラインナップ。「土地に語り継がれてきた昔ばなしの中に宿る、人間同士のつながり・家族のぬくもりを大切にしたい」という想いが込められています。活版印刷の風合いが魅力のラベルはあたたかみにあふれ、それぞれに日本の昔話のワンシーンが再現されているため、日本人になじみやすいデザインだと言えます。
創業1832年の山口酒造場は、福岡県久留米市に店舗を構えるお店です。酒造の定番である、庭のうぐいす純米吟醸や彩り酒、季節酒、熟成酒、梅酒、どぶろくなど、さまざまな種類のお酒を手掛けています。
日本酒「9」ラベルは、庭のうぐいすの新商品。9号酵母と九州産の山田錦を使用していることがネーミングの由来だと言われています。大吟醸でありながらも、香りは控えめで味わいが重視されている純米大吟醸です。精米歩合の割合ごとに、純米吟醸60、純米吟醸50、純米吟醸35の3種類の商品に分類されており、ラベル提案の依頼があったのだそうです。
海外輸出が視野にあることから、デザインは数字の「9」がモチーフになっていて、シンボリックな記号性を意識しているのだそうです。墨汁画のような日本らしい文化をイメージするデザインでありながら、海外でたしなまれている原色系の配色と抽象画のような斬新性が表現されているので、さまざまな国で親しまれることでしょう。
銀ツヤネーマーを台紙に用いてメタリック感を演出しているのだそうです。
一風という日本酒のパッケージデザインした事例です。日本酒ならではの透明感や透き通るような味わいを筆文字で表現しており、透明なボトルに白色の和紙に商品名を描いています。風の動きを線の強弱で表現し、動と静の部分をダイナミックに表しているでしょう。非常にシンプルなデザインになっているため、高い視認性もあり、目に留まりやすいデザインになっています。一度目にすると、忘れられないデザインと言えるでしょう。
日本酒は日本人だけをターゲットにしておらず、海外の方にも高い人気を誇っている商品です。そのため「一風」という商品名を筆文字で描くだけでなく、「IPPU」「JAPANESE SAKE」と英語でも表記しています。海外の方に販売する際も日本酒と一目で判断でき、筆文字という魅力的なフォントも海外の方にとっては魅力的な商品に映るでしょう。
雅という日本酒のパッケージデザインの事例です。紺色をベースにした紙に白文字で「雅」とダイナミックに筆書きしています。濃い色のボトルだからこそ、紺色のベースが良くマッチしているでしょう。日本酒が持っている透明感や濃厚な味わいもパッケージで表現しており、大人びた重厚な雰囲気を醸し出しています。筆文字というと、どうしても商品名が読みにくくなることも。しかし、この「雅」という文字はクセが強くないため、非常に見やすいデザインになっているのもポイントです。商品名を覚えてもらいやすくなり、多くの方々に商品名をアピールすることができます。
日本語が読めない方のためにアルファベットでも商品名を記載。アルファベットは分かりやすいフォントを使用し、オシャレな佇まいになっています。
白いガラスのボトルを魚の形に見立てたデザインがインパクトのある日本酒の錦鯉のパッケージデザイン事例です。新潟にある酒蔵の今代司酒造から販売されているもので、錦鯉のようなデザインが非常に魅力的でしょう。ボトルの入っている箱にもこだわっており、白いボックスに錦鯉の絵柄が描かれています。そのため日本酒を楽しむだけでなく、箱を飾っても楽しめるでしょう。
錦鯉は日本で鑑賞用の魚として親しまれてきましたが、今では海外でも人気のある魚です。さらに上る錦鯉は縁起がいいとも言われており、贈り物にはピッタリな商品と言えるでしょう。錦鯉の絵柄の側面には商品名がゴールドでデザインされ、高級感のある印象になっています。日本人だけでなく、海外の方へのギフトとしても喜ばれること間違いなしです。
2010年版の純米酒「丹後酒々人々」のラベルデザインの事例です。鮮やかな緑色を配色しており、特徴のあるフォントで商品名を記載しています。オレンジも差し色として使っており、全体的に柔らかなイメージになっているでしょう。ボトルの上部にはオレンジ色で「今宵、笑顔一献」というフレーズが手書きのようなフォントで書かれているのも特徴的。ボトル全体はダーク系なので、明るいラベルがより映えるでしょう。多くの日本酒がシンプルなデザインやスタイリッシュなものばかりなので、可愛らしいラベルは目立ちやすいというのも嬉しいポイント。
これまで日本酒に興味がない方や飲んだことがない方へも商品をアピールでき、女性も手に取りやすいデザインに仕上がっています。「京都 丹後」「純米酒」など商品のアピールポイントを分かりやすく表記されているので、商品の魅力も伝わりやすくなっているでしょう。
2017年に「田苑 ゴールド」が発売30周年を迎えたことをきっかけに、味・香り・パッケージデザインを一新。「新化」や「進化」をコンセプトとして、さらなる美味しさを追求しました。
パッケージデザインでは、1987年に完成したオリジナルの角瓶を引き続き採用し、ラベルのみを変更。ゴールドとシルバーともに、「音楽仕込み」であることを表す音楽記号のデザインが施されています。また、以前のパッケージと比べて、「全量3年貯蔵」なのが分かりやすくなっているのもポイントです。
「Roooots名産品リデザインプロジェクト」というコンペが行われた際に商品化された、黒大豆焼酎の「瀬戸内国際芸術祭2010」デザインです。フロスト加工を施したスリムな瓶には、艶やかな大小の円で黒大豆を表現。グラフィックをあえてシンプルにすることで、ボトルの質感を強調したデザインにしています。
また、焙煎された黒大豆の香ばしさを表すために、焦げを付けた帯に焼き印のグラフィックを採用。すっきりとした見た目の中にもこだわりを感じられる1本です。
球磨焼酎を海外から取り寄せたシェリー樽で長期間熟成させた本格焼酎。シェリー樽の持つほんのりとした甘い香りが特徴で、滑らかな舌触りが長期熟成の魅力を引き立たせます。
透明のボトルに乱反射する光をイメージした幾何学模様が配され、透き通った琥珀色の焼酎の繊細さと上品さを際立たせているでしょう。ボトルキャップ・グラフィック・焼酎がそれぞれ異なる金色をはらんでおり、見る角度によってさまざまな表情を楽しめるでしょう。
シングルモルトウイスキー山崎は、大阪にある山崎蒸溜所で生まれるモルト原酒のみでつくられたお酒です。日本を代表するウイスキーの1つであり、海外でも親しまれていることで知られています。山崎には、山崎12年や山崎18年、山崎25年などさまざまな種類があり、それぞ違った味わいを楽しめます。
バッケージにはポリカーボネート樹脂が使用されており、商品の保護と透過性を兼ね備えています。 グラフィックは、山崎の背景に流れる日本人の緻密な探求精神と着物で使われる江戸小紋の文化を融合させ、細かいドットで雪をイメージしてあるのだそうです。
また、LEDキャンドルを付属させることで、演出を気軽に楽しめたり、本物の火を用意しなくても安全に使用できるようにしたりするなど工夫されています。シリコーンゴム製のカバーがLEDキャンドルに施されており、光を拡散させる効果を狙ったもの。バッキング時の商品への影響を軽減できるよう無駄のないシンプルなデザインに仕上がっています。
東京都台東区浅草に店舗を構える酒右衛門は、さまざまな国産ウイスキーを取り揃えるショップ。オーソドックスな商品はもちろん、レアなウイスキーも揃っていたり、日本酒の取り扱いがあったりするお店です。
ショップで小分け用小瓶に用いるラベルの製作にあたったのだそうです。ボトルの正面に店舗の名前とロゴが示されているので、消費者が見つけやすいと考えられます。 このラベルは、冷蔵されることも考慮して製作されているのが特徴に挙げられます。冷蔵仕様だけでなく、冷凍仕様のものもあるため、ラベルデザインでお悩みの方は問い合わせてみるとよいでしょう。
サントリーから発売されている有名なウイスキーである「響」の30年ボトルのデザインパッケージ事例です。響というブランドのイメージを壊すことなく、重厚感が漂うブラウン系のグラデーションがかかったボックスをデザイン。文字にはゴールドでHIBIKIと商品名を英字で記載し、また黒で目立たないように「響」という漢字が配置されています。ボックスだけでも、ラグジュアリーさが伝わるでしょう。またウイスキーのボトルには金色の背景に黒字の文字を配置したシールを採用。まるで手でちぎったようなシールになっており、ビンテージ感が自然と伝わってきます。店頭に並んだ時も、このラグジュアリーさは目に留まりやすく、贈り物にしても喜ばれること間違いなし。ウイスキー響のファンの期待も裏切らず、30年という記念に適したデザインに仕上がっているでしょう。
株式会社成城石井のプライベートブランドとして販売するスパークリングワインのパッケージデザインの事例です。
成城石井というブランドイメージである上質さを意識し、シンプルかつ上品な印象のデザインに仕上げています。ブランクはゴールド、ロゼはピンクをイメージカラーにし、2種類が姉妹商品ということが一目瞭然にわかるように、カラーリング以外のデザインは同じです。スパークリングワインのシュワシュワ感をボトルの下部にデザインし、一目で炭酸感をアピールしています。また小さくワイングラスに注がれた絵柄を描くことによって、少しだけ特別な印象も与えることができるでしょう。普段ワインは敷居が高いと思っている人にも手に取ってもらいやすいデザインなので、より多くの方に訴求することができます。また、キャップ部分には「スクリューキャップ」ということも注意書きされてあるのも分かりやすいでしょう。
全国酒販協同組合連合会が手掛けている「マスカット・ベイリーA」のパッケージをリニューアルしたデザインの事例です。
日本アルプスをモチーフにした山々を描くことで、広大なイメージを印象付けています。また赤ワインらしさを全面にアピールするために、ややピンク色のラベルを採用。大きく「マスカット・ベイリーA」と描くことによって、商品名をダイナミックに訴求することができます。また日本ワインと明記することによって、国産ワインと一目で伝わり、ワイン好きの興味を惹く品に思えるでしょう。また海外に輸出することも踏まえ、英語での表記も行っており、日本ワインのファンの心に響くデザインになっています。
またボトルは濃い色味を採用することで、キャップのワインカラーが映えるでしょう。赤ワインということが店頭に並んでいるときから、すぐにわかるように考えてデザインされています。
長野県にある坂城葡萄酒造株式会社から発売される果実酒「さえこおり」のラベルをデザインした事例。さえこおりのラベルには、和紙銀がすみという素材を使用しているのが特徴でしょう。和紙の隙間から銀色少し見える特殊な素材であり、和の雰囲気が漂うものなので日本人にとっても馴染みやすいと言えます。
パッケージの正面には、猫とリンゴをデザインされているのが特徴。レトロなタッチで描かれており、使用している素材ともよくマッチしています。絵柄から分かるように、りんごの果実酒ということが消費者に伝わりやすいことでしょう。ラベルの上側にはグラデーションがかかったような色遣いになっており、レトロなイラストによく合っています。また、商品名は筆文字で描かれているため、用いている素材との一体感が生じています。
東京都港区に本社を構えるマンズワインが発売する「酵母の泡 ベーリーA ルージュ」のラベルをデザインした事例。酵母の泡 ベーリーA ルージュは、山梨県産のマスカット・ベーリーA種から造った赤ワインを耐圧タンクを用いて二次発酵させる「シャルマ方式」を採用してつくられたスパークリングワインのことです。
酵母が造り出したきめ細かい泡と柔らかな酸味が特徴のワインで、品種特有の甘い香りや心地よい味わいを楽しめるのが魅力。パッケージのカラーには、赤ワインをイメージさせるレッドを採用し、とても華やかな印象に仕上がっています。商品名は、ゴールドカラーが用いられており、ゴージャスで目立ちやすく、消費者の目にも留まりやすいことでしょう。
アメリカのカリフォルニア州でワインを生産しているSUNSET CELLARSのワイン用ラベルをデザインした事例。白いラベルのHYDRANGEAはキリッとした酸味を楽しめるスパークリングワインであり、緑のラベルのSUNSET SYRAH 2014は芳醇な赤ワインです。
どちらにも、さらっとした紙の質感が楽しめる上質90kgを選んで使用し、箔押しも行われているのが特徴です。HYDRANGEAには、インパクトのあるピンク箔を採用し、スパークリングワインをイメージさせる爽やかな見た目に仕上がっています。SUNSET SYRAH 2014は金箔を使用し、高級感を感じられる雰囲気です。
株式会社成城石井から販売されている2019年夏の限定オリジナルワインである「QUARISA NOUVEAU 2019」のラベルデザインの事例です。成城石井のプライベートブランドから販売されているため、上品さが伝わるデザインに仕上がっています。夏限定ということで夏の爽やかさや陽気さの雰囲気のあるデザインになっており、白と青・赤と白の2種類をデザイン。ワインを購入するターゲット層は、基本的に女性であり、女性の目に留まりやすいようなデザインにするためにボーダー柄を採用しています。柔らかな線を引くために、あえてキッチリとした線ではなく手書きのようなラインが引かれ、ラインの色の濃さもラインごとで異なるのもオシャレな雰囲気に。「QUARISA NOUVEAU」という商品名も輝くようなカラーで描き、質の高さを伝えてくれます。シンプルだからこそ、商品に自信を持っている証拠でしょう。
株式会社フィラディスが発売している「フアン・ヒル ペドレラ」の2017年のラベルデザインの事例です。ボトルやラベル全体を黒色に配色しており、落ち着いた雰囲気を演出し上質感のあるボトルデザインに仕上がっています。ただ全体を黒にすることで、暗い印象になりがちというマイナス点も。そのマイナスを払拭するために、丸みのあるフォントを採用し、さらに商品名はピンク色というパッションなカラーを使用しているのでカジュアルさも同時に伝わるでしょう。そのため暗いイメージではなく、オシャレや高い品質の良さが感じられます。フルボディの重みのあるワインだからこそ、このデザインはピッタリ。ワインを選ぶ上で気になる情報は、基本的に前面に書かれてあるため、ワイン愛好家にとっては気になるデザインに仕上がっているでしょう。
Sunset Cellarsのクラブ配送の「2020 Summer」にも含まれている「Moonlight - 2018 Chardonnay / California」のラベルデザインの事例です。このデザインには幼いころに体験したような夏休みのキラキラした思い出を表現したデザインになっています。このワインを飲むとき、仲の良い友達や恋人、家族と月の下に集い、幼いころの時のようにキラキラした思い出を作ってもらえたら…という思いが込められているでしょう。そのため夜空のような深いブルーを全体に配色し、月の光が差し込むような白色を中心部分にグラデーションのようにデザインされています。「MOONLIGHT」という商品名は小さく中央部に配置しているのも特徴的です。あえてラベルは綺麗な切り口ではなく、手で切り取ったかのようなラインになっているので、より柔らかな雰囲気が伝わるでしょう。全体的に洗練されたワインという印象を演出しています。
マンズワインである「凍結山梨ベーリーA・凍結山梨甲州」のラベルデザイン事例です。凍結濃縮という方法を活用して作られたワインなので、「凍結」の氷や冷たさが消費者に伝わるようなデザインになっています。山梨ベーリーAには青や水色、山梨甲州にはグリーンを採用し、両方ともに金色のラインを引くことで上品でありつつ、高級感のある演出をしているでしょう。単に一色だけを配色するのではなく、やわらかなグラデーションを用いているため品質の高さが伝わるはず。またデザインだけでなく、紙の質感や色にもトコトンこだわっているのも特徴的。金色のラインと合わせるようにキャップを覆う紙も金色にしています。細部にまでこだわりが感じられ、ワインの魅力がパッとダイナミックに消費者に伝わるようなデザインです。
チリ産・南アフリカ産のワインシリーズのパッケージデザイン事例です。紙パックとボトルのタイプがあり、赤ワイン・白ワイン・サングリアのシリーズがラインナップされています。同じシリーズということがパッと見るだけで判断できるように同じデザインを採用。上部には古い地図の絵柄を入れて、輸入品というイメージをアピールしています。またワインが注がれたグラスや葡萄を描いているので、よりワインの美味しさを訴求できているでしょう。
味ごとにボトルの蓋のカラーを変更し、赤ワインには赤、白ワインには白、サングリアには金色の蓋を採用しています。そのため上部から見ても、ワインの味が異なることを判断しやすいでしょう。紙パックの方にも上部に赤ワイン・白ワインとハッキリ明記されてあるのも特徴の一つです。
TETTA株式会社が販売しているTETTA Vigneメルロ、シャルドネ、マスカット・ベリーA。御来屋デザイン事務所によるラベルパッケージデザイン事例です。自家農園の葡萄を100%使用して作られており、生産量が少ないため、どうしても高級な価格帯になってしまいます。ただ地域特産品として素朴さも残したいというオーナーの要望を叶え、スタイリッシュでありながら、どこか長閑な雰囲気も感じられるデザインになっているでしょう。
全体的にたくさんの色を使うのではなく、落ち着いた白を基調とし、黒や紫系でまとめています。ラベルの上部に葡萄の絵柄を描くことで、より葡萄を強調。商品名も落ち着きのあるフォントを採用し、派手さを抑え、より高級感のあるワインを演出しています。ラベルの形や背景からも、こだわった一本ということが伝わってくるでしょう。
北海道池田町がつくるワインラベルのデザイン事例です。池田町独自のワイン品種である清見・山幸があり、国際ブドウ・ワイン機構にも登録されています。そのため確かな品質をアピールできるよう、品格のあるフォントを採用し、あえて抑えた印象のラベルになっているでしょう。ワインラベルとしては比較的クラシックな雰囲気で、ベーシックなデザインになっています。白が基調となっており、インパクトのある個性的なデザインではありません。しかし自治体が作っているワインだからこそ、デザインに頼りすぎない、シンプルさが魅力になるでしょう。
ラベルにはブドウ農園の図柄が描かれ、ワインを通して池田町の魅力も伝わってきます。ボトルの上部にはゴールドのカバーが付いており、ゴールドの高級さもワインの品質をアピールできているでしょう。
マンズワインが年に2回受注生産している予約限定ワインのパッケージなど各種ラベルをデザインした事例です。ハロウィン・スパークリングのワインはハロウィーンのイメージに合わせて全体をオレンジカラーで統一しており、ラベルもお化けやカボチャなどの可愛らしいイラストが描かれています。ハロウィーンパーティの際のプレゼントとしてもぴったりなワインのデザインになっているでしょう。
一方、ベーリーA 酵母の泡 ロゼのラベルデザインは全体をピンク系にしており、ロゼらしさを演出。ロゼのピンク色とマッチするようラベルは白にしており、優しい雰囲気のデザインになっているでしょう。
予約限定というスペシャル感も演出するよう、ブドウをイメージしたデザインが上部に描かれています。上部のデザインは両方のワインで共通させることで、同じブランドのワインと一目で分かりやすいデザインです。
新潟県の村上市にある菅井農園から販売されているワインラベルデザインの事例です。このパッケージのコンセプトとして、村上氏の自然あふれる中で働いている菅井農園の方々をイメージしたデザインになっています。毎年のように変わる気候に応じて、丁寧に管理され栽培されたブドウで作っているため、毎年風味などが異なるワインです。そのため毎年のように味の変化を愉しむことができ、一年の思い出の一本になるでしょう。「Banquet」は宴という意味であり、仲間や家族など自分にとって大切な人と飲んでほしいという意味が込められています。
どこか落ち着いたスタイリッシュな雰囲気のラベルが多い中で、クワガタや魚、木々、山々などのデザインを描いたラベルを使用。またフォントも個性的なデザインになっているため、ブランドのイメージ通り楽しい印象を与えてくれるでしょう。
ラ・リビエールから販売されているワインのパッケージや商品のロゴマークをデザインした事例です。
何といっても、ラベルやキャップシールなど全体がゴールドで統一されており、他のワインとは一味違う魅力を醸し出しています。透明なボトルから見えるワイン自体も輝くような黄色をしており、全てにおいて高級感のあるデザインに仕上がっているでしょう。ゴールドで統一されているにもかかわらず、ケバケバしい派手な感じも与えず、ワイン好きの方に寄り添うような落ち着きも感じられます。ロゴにはブドウの絵柄だけでなく、グラスを乾杯するようなイラストも描かれており、特別な記念日に飲むのにピッタリな一本と言えるでしょう。
少しボコボコしたワインボトルも、どこかアンティークさを感じさせ、よりワインの魅力を引き立てる要素になっているのもポイント。多くのワインとの差別化が上手く図られ、つい飲みたくなるようなデザインになっています。
株式会社岩の原葡萄園から発売されているワインのパッケージデザインの事例です。日本のワインは今や世界中の方々にも愛飲されているほど、幅広い方をターゲットにしています。そのため岩の原スパークリングワインも和を感じさせるような落ち着いたダークな雰囲気のデザインになっているでしょう。ラベルには白と紫の花をそれぞれ描き、金色で縁取りすることで華やかさをアップ。ラベルやキャップシールは黒にすることで、ゴールドや花の白・紫が非常に映える仕上がりになっており、高級な一本という印象を与えてくれるでしょう。そのため贈り物としても選びやすいデザインで、誕生日や結婚記念日など大切なアニバーサリーに渡せば、きっと喜ばれること間違いなし。