ブランディング戦略におけるパッケージデザインとは? パッケージデザイン総合解説
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パッケージデザインで注意すべきロゴの類似チェック

パッケージデザインに使用したロゴが既存の製品のロゴに似ている場合、商標権侵害などのリスクが高まります。このページでは、パッケージデザインで注意すべきロゴの類似チェックについてまとめています。

ロゴの類似チェックを行う理由と必要性

商品のパッケージデザインや企業の宣伝に使用されるロゴは、その商品や企業を象徴するデザインであり、法律的に「商標」として認められています。そのため、すでに商標登録がされているロゴに類似したロゴをパッケージデザインなどに使ってしまった場合、商標権の侵害として既存のロゴの権利者から損害賠償請求などを求められるリスクが高まるのです。

商品パッケージや新しいプロジェクトなどにおいて新規のロゴを作成・使用する場合、必ず公表前に類似するロゴが存在していないのか、商標登録されているロゴに類似していないか、きちんとしたチェックを行わなければなりません。

また、仮に商標登録がされていなくとも、他社製品のロゴを盗用したと消費者に誤解されれば商品や企業のイメージが悪化します。

ロゴ商標の権利に関する検索方法

使用したいロゴについて、類似するロゴが登録商標として存在しているかどうかチェックする方法として、大きく2つのパターンがあります。

特許庁による無料商標検索の利用

特許庁では、ロゴ商標などの登録商標について利用者が無料で使える商標検索システム「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」を運営しており、これを利用してロゴ商標の検索や類似チェックが可能です。

J-PlatPatは、インターネットへ接続できる環境が整っていれば誰でも無料で利用することが可能となっており、ロゴ商標だけでなく特許や実用新案、意匠といった知的財産権に関連した様々な情報をチェックができます。

サービス利用上の注意点については公式ヘルプデスクを利用してサポートしてもらうこともできます。

また、J-PlatPatでは登録されているロゴ商標についてデザイン(カラー図形)だけでなく、登録日や指定商品、登録番号など複数の情報を確認できますが、図形等分類などによって検索しなければならず、十分な類似チェックでは操作に慣れや経験が必要です。

検索エンジンのオンライン画像検索

Googleをはじめとしたインターネット検索エンジンでは、単語や文章だけでなく、画像による検索を行えるものがあります。また、特定のキーワードを記入して、関連する画像を表示することも可能です。

検索エンジンによっては、画像検索として指定する画像ファイルをアップロードすることで、類似する画像や関連する画像を検索できるため、類似性のあるロゴを見つけるために利用できます。

ただし未発表のロゴや画像データをオンラインへアップロードする場合、情報の取り扱いについて適切に理解しておくことが不可欠です。

あるいは、現在のロゴに関連するキーワードを入力し、表示された画像一覧から類似するロゴの有無を確認することもできます。

権利侵害に当たる類似性の判断ポイントは?

ロゴの類似性について、判断する要素は「外観・称呼・観念」の3つが定められています。外観はロゴの見た目であり、称呼とは読み方や発音を指す言葉です。また観念はそのままロゴの意味として考えられます。

これらの3要素を総合的に評価し、比較対象と類似性や同一性が認められるかどうかが判断のポイントになるでしょう。

ただし、実際に類似しているかどうかを判断するのは特許庁の審査官です。自身の感覚で似ている、似ていないといった判断をしたとしても、審査官の結論が同じになるとは限らないわけです。ただし、審査官の判断に不服がある場合、拒絶査定不服審判を裁判所へ請求することもできます。

まとめ

ロゴはパッケージデザインにおいてイメージ戦略の要のひとつであり、商品やブランド、企業を象徴する視覚デザインの代表となります。そのため訴求効果を高められるロゴのデザインが重要になりますが、同時にロゴは登録商標として法的に保護されている場合があり、既存のロゴ商標に類似しているロゴを利用すると商標権の侵害などになりかねません。

ロゴを使用する場合は、必ず類似チェックや既存のロゴ商標を調べておくことが必要です。