このページでは、パッケージデザインの制作を外部のデザイナーやデザイン会社へ依頼する際に、どのような流れで進められていくのかについてまとめています。
パッケージデザインの外注制作では色々なパターンや流れが考えられますが、ここでは一般的に想定される基本の流れを紹介しています。
パッケージデザインは、消費者に対して商品や製品の魅力を伝える、プロモーション戦略の一環として訴求効果を高めるための手段・ツールです。そのためパッケージデザインを制作・外注する前に、まずはパッケージデザインによってどのような消費者層へアプローチして、製品や商品の魅力をどのように伝えたいのかを決める必要があります。
とくに対象となる消費者のターゲッティングはデザインのコンセプトを決める重要な前提になるため、明確化してきちんと共有しておきましょう。
パッケージデザイン制作の依頼先は、フリーランスのデザイナーやイラストレーターから、企業として大規模にパッケージデザインを手がけている大手企業まで様々です。また、自社で制作業務は行っていないものの、信頼できる制作会社と製品メーカーの間で橋渡しとして活躍してくれる広告代理店といった企業もあります。
イラストであれ写真であれ、制作者の技術や個性はパッケージデザインの性質を左右する重要なポイントです。依頼先の比較検討をする際には必ずこれまでの実績やデザインの傾向、得意とするジャンルなどを細かくチェックしましょう。
特定の依頼先へ決められない場合、複数のデザイナーやデザイン会社に対してコンペティションを依頼することも可能です。
コンペではそれぞれの参加者に対して、目的となる商品やプロモーションの方向性、デザインのコンセプトのベースなどを伝えて、各自の成果物を発表してもらい、具体的なデザインを比較検討すると流れになります。
また、広告代理店などの中には事前に複数のサンプルを用意して、そこから選べるといったケースもあります。
どれほど実力のあるデザイナーやデザイン会社であっても、一発でクライアントのニーズに応えることは困難です。また、クライアントの方から外注先へ常に完璧な情報やイメージを依頼内容として伝えられるとも限りません。
そのため、最初にサンプルを確認して方向性やコンセプトを決めた上で、まず初稿としてデータを受け取り、それに対して変更点や修正点といったポイントを希望として伝えて対応してもらいます。
ただし、修正回数が増えると追加コストが発生したり、クライアントの側がきちんと意見を取りまとめないまま修正を依頼したりすると、余計に成果物が混沌としていくリスクも考えなければなりません。
そのため、デザインについて客観的な意見や評価をチーム内や社内で集めるといった対策も有効です。
ロゴの商標権や写真・イラストの著作権など、デザインには複数の知的財産権が絡みます。外注先に任せきりにするのでなく、可能であれば自社でも権利関係や類似デザインの有無についてチェックしましょう。
デザインが決まった場合、必ず実際のパッケージデザインとしてどのように再現されるのか、パッケージの包装紙や容器などと同じサイズ・素材のものへ印刷して仕上がりの確認が必要です。
画面で見ている場合と印刷した場合では、同じデザインでも印象が大きく異なることもあります。
最終のサンプルチェックも完了すれば、完成したデザインを利用して製品化へと進みます。
パッケージデザインの外注を成功させるためには、どのような点に注意していくべきなのでしょうか。ここでは特に意識すべきポイントをまとめました。
パッケージデザインを誰に依頼するのかは、プロモーション戦略の要です。また、パッケージデザインを誰に依頼するのがベストなのか判断するには、そもそも新デザインでどのようなターゲットへアプローチしたいのか事前に明確化されていなければなりません。
特に個性や実績が認められているデザイナーの場合、そのデザインのイメージと、対象商品の顧客のニーズがマッチしているか冷静に考えるようにしてください。
デザイン制作をするにしても、商品をどのようにプロモーションしていきたいのか宣伝戦略のコンセプトが確立されていなければ、デザイナーへ要望を伝えることもできません。
そのため、パッケージデザインの制作を依頼するに当たって、コンセプトと重点的にアピールしたいポイント、NG項目などもあわせて指示書を作成することが肝要です。
デザインを依頼する上で、製品パッケージの材質や形状などによって同じデザインでも見え方が変わるものです。そのため、可能であればパッケージデザインを依頼する際に、合わせてパッケージの材質や形状、印刷方法などもデザイナーへ伝えておくようにします。
また、可能であれば商品化された際に、どのような方法で販売されるのかも最初に伝えておくことが望ましいでしょう。商品が陳列される位置や状況、時期などによってパッケージの見え方やデザインの印象が変わるため、最適な訴求効果を目指していくためには具体的な利用シーンを想定した上でデザイニングをしましょう。
パッケージデザインの制作依頼を出す際、以下のようなポイントはNG項目として意識しておきましょう。
生産者や製造者の中には、商品の中身さえ高品質であれば、パッケージデザインなんてどれも同じだと考える人も少なからず存在します。しかし、いかに商品が高品質であったとしても、実際に手に取ってもらったり、利用してもらったりしなければ、本当にその価値を消費者へ伝えて信頼してもらうことは困難です。
パッケージデザインは客寄せの手段でなく、自信を持って商品を消費者へアピールするための道筋であると理解することが必要です。
理想的なパッケージデザインが完成しても、商品を流通させて販売していくためには他にも多くの段階を経なければなりません。
パッケージデザインの制作依頼はあくまでも商品化に向けた工程の1つであり、全体的なスケジューリングやプランニングを固めることが、販売活動の質を高めて生産性や利益性を高めるポイントです。
新しい商品を企画したり、既存の商品をリニューアルしたりしたい場合、パッケージデザインを新しく制作することはプロモーション戦略として有効な手段です。しかし自社でデザインを行えない場合、信頼できるデザイナーやデザイン会社へパッケージデザインの制作を依頼しなければなりません。
高品質なデザインを制作してもらうためには、クライアントとして意識すべきポイントも色々とあり、しっかりと理解した上で制作依頼を出すことが必要です。