ブランディング戦略におけるパッケージデザインとは? パッケージデザイン総合解説

SDGs時代のパッケージデザイン

SDGs達成に向けたパッケージデザインが、企業のブランド価値向上に不可欠な時代です。どのように考えていく必要があるのかについてまとめました。

そもそも、SDGsとは?

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連で採択された、2030年までに達成を目指す17の国際目標です。貧困撲滅、飢餓の終結、健康と福祉の向上、教育の質の向上、水と衛生の可用性と持続可能な管理、廉価なクリーンエネルギーへのアクセス、などの目標を達成することが含まれます。これらは、経済、社会、環境の持続可能な発展を目指すもので、全ての国が共同で取り組むべき普遍的な課題なのです。

パッケージデザインは、商品の第一印象を決定づけ、消費者の購買行動に直接影響を与える要素です。しかし、それだけではなく、今日ではその生産と廃棄の過程で環境に与える影響も重要視されています。SDGsの観点からパッケージデザインを考えることは、持続可能な社会を目指す上で欠かせない取り組みのひとつといえるでしょう。

パッケージデザインがSDGsに貢献できる3つのゴール

パッケージデザインを行ううえでどのようにSDGsに貢献できるのか3つのゴールから考えます。

つくる責任・つかう責任

企業は、持続可能なパッケージデザインを通じて、資源の有効活用と廃棄物の削減に貢献する責任があります。再生可能な資源を使用し、リサイクルしやすい材料を選び、過剰包装を避けることで、生産から消費、廃棄に至るまでの環境負荷を低減可能。また、消費者に対しては、製品の適切な使用と廃棄に関する情報を提供し、持続可能な消費行動を促すことが求められます。

海の豊かさを守ろう

パッケージデザインは、海洋汚染の大きな原因となるプラスチック廃棄物の問題にも直結しています。生分解性の高い材料の選択や、プラスチック使用量の削減、リサイクル可能な材料への切り替えにより、海洋生態系の保護に貢献することが可能です。持続可能なパッケージデザインの実践は、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」への貢献につながります。

陸の豊かさも守ろう

パッケージデザインは陸上の生態系保護にも影響を及ぼします。持続可能な森林管理から得られる材料の使用や、生物多様性に配慮したデザインの採用は、目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献します。また、農業廃棄物などの再生可能資源を活用することで、資源循環を促進し、地球上の生物多様性の保全に努めましょう。

SDGs時代におけるパッケージデザインは、単に商品を保護し、魅力的に見せるだけでなく、地球環境への配慮を組み込んだ持続可能なものであることが求められます。企業が取り組むべき具体的なアプローチを理解し、実践することが、今後の社会や環境に対して大きな影響を与えられるでしょう。

SDGs・環境保護によりパッケージデザインも変化の波を受けている

SDGs(持続可能な開発目標)と環境保護の重要性が高まる中、パッケージデザイン業界も大きな変化を迎えています。従来のデザイン手法や材料選択にとどまらず、製品のライフサイクル全体にわたる環境影響を考慮したアプローチが求められているのです。エコロジーとエコノミーのバランスを重視し、持続可能性を核としたデザインが新たなスタンダードとなりつつあります。これは、企業のブランドイメージや消費者の購買行動に直接影響を及ぼすため、パッケージデザインの役割はこれまで以上に重要な要素になるでしょう。

SDGsを考えたパッケージデザイン開発・考え方

SDGsを意識したパッケージデザインの開発には、環境への影響を最小限に抑えつつ、消費者への魅力的なメッセージを伝える工夫が必要です。

製造時にCO2排出量がより少ない素材に変更

環境負荷を低減するためには、製造過程でのCO2排出量を削減することがひとつのポイントです。これを実現するために、リサイクル可能な素材の使用や、生分解性の高い素材への切り替えが進められています。また、再生紙や植物由来のプラスチックなど、再生可能な資源から作られた材料の採用も拡大しています。可能な限りCO2排出量がより少ない素材を取り入れるようにしましょう。

廃棄・回収・リサイクルも考える

パッケージデザインは、製品の使用後にどのように処理されるかを考慮する必要があります。廃棄物を減らすための設計、分解しやすい構造、リサイクルしやすい材料の選定が重要です。また、消費者が正しくリサイクルできるように、パッケージに分別方法やリサイクルの促進を促すように工夫することも求められます。

小ロットのみの印刷

限定商品や地域限定商品など、小ロットでの生産が増えている今、印刷技術の進化がそれを支えています。デジタル印刷技術を用いることで、少量でもコスト効率よく、高品質なパッケージを生産できます。これにより、無駄な在庫を減らし、環境負荷の軽減に寄与しています。

視覚的な情報提供

パッケージは、その製品が持続可能な方法で製造されたことを消費者に伝える重要な手段です。エコラベルや認証マークの使用により、環境に優しい製品であることを直感的に理解させることができます。また、シンプルながらもインパクトのあるデザインにより、製品の持続可能性への取り組みを前面に出すことが可能です。

SDGsを考えたパッケージデザインが不安場合にはプロに相談

SDGsや環境に配慮したパッケージデザインを進めるにあたり、自社だけでは十分な知見やノウハウがないと感じることもあるでしょう。そのような場合には、専門的な知識を持つプロフェッショナルに相談することが一つの解決策です。

デザイン会社や専門コンサルタントは、企業のニーズに合わせた持続可能なパッケージデザインの提案や、環境への影響を考慮した材料選定のアドバイスを提供できます。プロフェッショナルの支援を受けることで、SDGsへの取り組みを具体化し、企業のブランド価値を高められるでしょう。

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