魅力的な商品を開発すれば良いと思っているケースも少なくありませんが、実は商品と同様にパッケージデザインも重要な役割を果たしています。パッケージデザインを変更しただけで、売り上げが大きくアップしたという事例も数多く報告されているのです。このページでは、パッケージデザインの役割や評価のポイントなどを紹介します。
パッケージデザインには「商品価値の創造」「コンセプトを伝える」「ブランドイメージの形成・定着」などの役割があります。ここでは役割について詳しく見ていきましょう。
パッケージデザインは商品を包む・商品名を伝えるなどを行うだけのツールではありません。商品の価値を創造するための大切なツールです。商品のイメージにマッチしたパッケージデザインは商品自体の評価をアップする効果も期待できます。たとえば同じブランデーであっても、ラグジュアリー感のあるパッケージデザインを採用しているブランデーのほうが、より「美味しい」と評価されやすくなるのです。つまり見た目の評価によって、中身の価値に影響を与えるということが報告されています。
もし「美味しそう」と思われたい商品であれば、しずる感などを上手に活用しながらパッケージデザインを検討することが大切です。アピールしたいポイントをダイレクトに伝わりやすいデザインであれば、商品の価値も高まりやすくなります。
商品の中にはコンセプトを根幹に開発されたものも数多く存在しています。しかし、どんなに素晴らしいコンセプトがあったとしても、消費者に伝わらなければコンセプトの意味がありません。ほとんどの消費者は一瞬で商品をいる・いらないと判断しており、一つひとつの商品を手に取っているわけではないので、シンプルかつダイレクトにコンセプトを伝える必要があります。つまりパッケージデザインを制作する際、いかに素早くコンセプトを伝えられるのかを考慮することが大切です。多くの商品の中から手に取ってもらえるようなインパクトのあるデザインを制作しましょう。
パッケージデザインには、ロゴ・ネーミング・ブランドのイメージカラー・フォントなどブランドをアピールするための要素が数多く含まれています。だからこそパッケージデザインによってブランドのイメージの形成・定着に役立つのです。
とくにオリジナリティのあるインパクトが強いデザインは人の印象に残りやすく、色・形などでブランドを思い出させるでしょう。ブランド名とデザインが一致すれば、それはブランドの資産となります。そのため形成・定着したいイメージをパッケージデザインに採用することによって、リピーターを増やすなどの効果が期待できるでしょう。
パッケージデザインの役割は、必ずしも常に同じというわけではありません。短期・中長期によっても役割が異なるので、どのような役割があるのかチェックしましょう。
多くの商品の中で、目立つパッケージデザインは消費者の目に留まりやすくなります。消費者の興味を引くことで、手に取ってもらう確率も高まり、その分売り上げに反映しやすくなるでしょう。あえてデザイン性・美しさよりも「目立つ」ことだけに着目することで、短期的な瞬発力は高まります。また商品の機能・性能などをダイレクトに宣伝するようなパッケージデザインも瞬発力は高いでしょう。競合他社にないアピールポイントをPRできれば、魅力的な商品と消費者に思わせることができます。ただ目立ちすぎるパッケージなどは、比較的パッケージの効果が短く終わる恐れもあるので注意が必要です。
デザイン性を重視した魅力的なパッケージは、消費者に中・長期的に使用してもらいやすくなります。あえて商品の特徴や機能をデザインしないことで、商品の価値を高めやすくなるでしょう。もしブランド自体が確立されており、中・長期的な視点で販売したいと考えている商品であれば、デザインを重視したパッケージを採用したほうが良いかもしれません。とくに日用品の場合、目立たないデザインであれば生活の中に溶け込みやすくなるなどのメリットもあります。だからこそ商品によっては派手すぎるデザインは採用しないほうがいいでしょう。
パッケージは商品によって、どのようなデザインが良い・悪いが変わってきます。ここではパッケージデザインを評価する上でのポイントを紹介するので、デザインを考える際の参考にしてください。
どこで販売するかによっても変わってきますが、一般的に競合他社の商品と同じ棚に並ぶケースがほとんどです。そのため競合他社の商品よりも目を惹くデザインにしなければなりません。たとえば派手なカラーを採用したとしても、ほかの商品が同じように派手なカラーばかりであれば目立つことはできません。そういったケースなら、あえてシンプルなほうが目に留まりやすいでしょう。そのため似たような商品がどのようなデザインなのかを分析し、いかに目立たせるかを考えることが大切です。
らしさは重要で、カテゴリー・ブランド・会社ごとに「らしさ」を追求しましょう。
色・ロゴ・フォント・イラストなどを活用することで、パッケージのオリジナリティは出しやすくなります。印象的なデザインは消費者の印象に残りやすくなり、ブランドを想起しやすくなるでしょう。商品とブランドを一致させる効果もあるので、オリジナリティをいかに出せるかが重要です。
商品のコンセプトがしっかりと伝わっているかどうかも重要なポイントです。店頭で商品をチェックするのは非常に短い時間なので、パッケージデザインで端的にコンセプトが伝わればお試し購入もされやすくなります。とくに新商品などは商品パッケージが非常に大切なアピールツールとなるでしょう。
実は商品の中身で選ぶよりも、パッケージデザインで選んでいる人も少なくありません。そのためターゲット層に好まれるデザインを採用することが、購入される商品づくりに役立ちます。
パッケージデザインによっては、売り上げにも影響を及ぼす大切なアイテムです。だからこそ消費者・ターゲット層に適切にアピールでき、ブランドの価値を高めるようなデザインを制作することが大切になってきます。評価されるポイントを押さえつつ、商品にマッチしたデザインを考えましょう。