目にしたり、耳にしたりするユニバーサルデザイン。どのようなデザインのことを指しているのか?パッケージデザインでも重要なユニバーサルデザインについて解説します。
ユニバーサルデザイン(UD)とは、特定の人だけが見やすかったり利用しやすかったりするデザインでなく、どのような属性の人であっても使いやすく理解しやすいよう配慮されたデザインを意味しています。
看板の文字や建物の構造、商品パッケージのデザインなど、ユニバーサルデザインが求められる場面は多岐にわたります。特定のデザインについてユニバーサルデザインという定義を与えるのでなく、様々な工夫や配慮を盛り込むことで視認性や利便性を追求していくデザインのコンセプトという意味でも利用されます。
ユニバーサルデザイン7原則(UD7原則)は、UD概念の提唱者であるロン・メイス氏が中心となって、様々な業界の専門家や研究者などがまとめたユニバーサルデザイン作成における7つの原則です。
UD7原則はデザイニングを行う上で、性別や年齢、人種、体質、経歴といった様々な属性に関係なく、誰にとっても使いやすく、利用しやすいデザインを目指すための方向性となります。
紛らわしい文字や混同しやすいデザインの使用を避け、特定の人だけが理解できるような性質のものを除外し、スムーズに情報へアクセスしたり対象を利用したりできることが重視されます。
またUD7原則を意識したユニバーサルデザインを利用することで、情報伝達ミスによる事故や二次被害といったものを予防しやすくなる点も重要です。
UD7原則を前提として商品のパッケージデザインを考える場合、以下のような点を意識することが必要となるでしょう。
不特定多数の人の目に触れるパッケージデザインでは、誰の目にも分かりやすく伝わりやすいデザインや文字の表記などを考えなければなりません。ブランディング・リブランディングにおいて顧客のターゲッティングは重要ですが、それはターゲット以外のユーザーを無視して良いことにはなりません。また、適切な利用法や素材、使い方を明示することで、思いがけない事故やトラブルのリスクを抑えられます。
加えて廃棄の方法にも配慮することで、環境負荷を軽減してサステイナブルな取り組みへ貢献も可能です。