パッケージデザインで重視されるシズル感とは？

広告戦略やプロモーションの方法などを考える上で、「シズル感」という言葉が用いられることも少なくありません。シズル感とは食品などの美味しさを消費者へ伝えるための表現や演出とされており、パッケージデザインでもシズル感を取り入れることは大切です。

そもそも「シズル感」とは？

シズル感とは広告業界などで使われている用語であり、特定の状態や状況を指す言葉ではないものの、一般的には「鮮度や美味しそうな魅力をアピールするための演出や、そのような雰囲気」として認識されています。

例えば、ステーキのCMを作る際、単に焼いた肉を置くよりも、その肉をカットして断面から肉汁が溢れでている場面を映した方が、よりユーザーへの訴求効果を高められると考えられるでしょう。

シズル感とは、それぞれの商品や宣伝対象に合わせて、一層に魅力を伝えられるよう計算された表現といえます。パッケージデザインとして商品や食品の写真を撮影する際にも、シズル感を意識して演出することが必要です。

パッケージデザインでシズル感を出す手法は？

シズル感といっても、アピールしたい商品や製品によって具体的な手法は様々です。

例えばチーズがたっぷりと載ったピザであれば、とろけて伸びるチーズを演出として表現するかも知れませんし、焼き料理や鍋物などであれば食品から立ち上る湯気がシズル感を伝える決め手になるかもしれません。

そのためシズル感を演出する方法としては、その商品の魅力を引き立てる要素に着目し、それを効果的に強調していくといったものが考えられます。

パッケージデザインに落とし込みのであれば、写真撮影する野菜に霧吹きで水滴を付着させたり、テリが必要な食品の表面に油を塗ったり、背景に湯気を重ねることで熱々の雰囲気を表現する方法があります。

ただし、シズル感の演出は商品の魅力を高める表現技法であり、過剰演出で商品イメージを損なわないよう配慮が必要です。

シズル感の他にもパッケージデザインを魅力的に演出する方法

パッケージデザインを魅力的に演出するための方法は、必ずしもシズル感に限ったものではありません。

お菓子や食品の美味しさを伝えるために、それを食べている人の姿や似顔絵を利用したり、素材の良さを表現するために原材料の情報やイラストを活用したりといったことは一般的です。また、ロゴの視認性や配色表現、ユニバーサルデザインを意識した読みやすく分かりやすい文字表現など、総合的に消費者へアピールしていけるようバランスを考えることが重要です。

逆に、商品の魅力を視覚的に強調するため他の情報を省略したり、パッケージの形状や材質そのものを変えたりといったことも考えられます。

パッケージデザインの魅力を高めていくために必要なことは、消費者の視点に立って、どのような情報が求められているかを考えてデザイニングしていくことといえるでしょう。

まとめ

デザインや広告の世界において、食品を宣伝するために「シズル感」は重要な演出ポイントです。しかし、シズル感を強調することにばかり意識を向けて、商品としての価値や魅力を情報として提供できなければ、パッケージデザインとしての意義は半減してしまうかも知れません。

パッケージデザインによるブランディングやリブランディングを促進したいと考える場合、シズル感の表現を含めて、消費者にとって適切かつ効果的に商品価値をアピールできる演出方法を考えていきましょう。